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一番難しい内部監査は「誰」に対するもの?

運送会社の内部監査

「長期未監査による監査を免除してもらうために、

安全マネジメント認定セミナーの受講と課題提出をしたほうがよいでしょうか?」

 

先日、ある講演会終了後に受けたご質問です。

 

時々開催される「運輸安全マネジメント認定セミナー」。

「国交省の監査が免除されます!」

とのキャッチコピーで運送事業者を惑わす応募チラシを見かけます。

 

「このセミナーを受ければ国交省の監査が入らなくなるのですか?」

そんな質問をよく受けます。

 

あくまで「長期未監査」の事業者に対して行う監査を免除する、というだけの話です。

 

長期未監査とは、

7年から10年くらい国交省が監査に入っていない運送事業者に対して入る監査のことです。

 

そんな監査が免除になったところで特段のメリットはありません。

 

そもそも重大事故、公安委員会や労働局から通報、苦情などをキッカケとして国交省の監査は入ります。

 

優先すべきは自社のコンプライアンスを徹底すること。

具体的には、

法令の遵守状況に関する内部監査を最低、年1回実施して、

法令違反がないかをチェックすることです。

 

現状を把握して、

いつまでにどの程度改善するのかを決め、

コツコツと実行していくのみです。

 

「それじゃ、内部監査を自社でやろう!」

そう思ったところで、もう1つ大きな壁が立ちはだかります。

 

そうです。

“誰が”内部監査をやるのか、という問題です。

 

特に中小運送会社での内部監査の問題点。

それは内部監査を適切にできる人材がいないこと。

 

上司に対して内部監査をやりにくい。

やったとしても甘い監査になりがち。

社長に対する内部監査は誰がやるのか、という最高に難しい問題があります。

 

これらを解消することを1つの目的として設立したのが

私が主宰する一般社団法人トラック・マネジメント協会なのです。

 

毎年、会員事業者さんのところに内部監査(通称:トラマネ監査と呼んでいます)に伺います。

私、和田は当然のこと、会員事業者の社長さんも一緒に訪問します。

 

専門家の私だけですと、内部監査を受ける運送事業者にも甘えが出てきます。

ところが、同業者の社長さんにもチェックされるとなると勝手が違ってきます。

 

同業でも法令を守ろうと日夜努力している社長さんも現にいることで、

甘えが許されない状況に置かれます。

 

指摘されたことを会員事業者がどのように改善していったかの“生の話”を聞くことができます。

「自社でもやれる!」という自信を持ってもらえることも少なくありません。

 

今年入会された大阪の3代目、20代の若き経営者も

「トラマネ監査で指摘されたことを改善して、

この2社(ある会員事業者のこと)を目指して頑張ります!」

と力強く語ってくれました。

 

「人は思考の産物にすぎない。自分が考えたものになる」

これはインド独立の父、非暴力不服従で有名なガンディーの言葉です。

 

どんな経営者に会い、どんな刺激を受け、どのように考えるか。

素晴らしい経営者に会い、よい刺激を受け続ければ、自ずと素晴らしい考えに変わります。

素晴らしい運送会社に生まれ変わるのは時間の問題ですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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