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思わず頼みたくなる魅力的な応対

ブランディング

「この胡蝶蘭のもうワンサイズ小さめのものはありますか?」

ある生花店で店員さんに話しかけました。

 

「店内在庫がございませんので通常は7日くらいお時間がかかります。

でも念のため、お客様のご要望の3日後までに調達できるものがないか、お調べいたします」

 

しばらく待っているとその店員さんが戻ってきました。

「本当に申し訳ございません。お調べいたしましたが、

やはり3日後には難しい状況でございます。」

 

この時点で私はこのお店、この店員さんから胡蝶蘭を買おうと決めました。

当初の目的は叶わなかったものの、店員さんの応対に好感が持てたからです。

 

以前から購入していた地元名古屋で有名な生花店があるのですが、店員さんの応対が今ひとつ。

たくさん胡蝶蘭の在庫があるのはいいのですが、そこにあぐらをかいているのです。

「(こんなにたくさん在庫があるのだから)こちらからお選び下さい」。

そんな態度が伝わってきて、あまり好感が持てずにいました。

 

これは何も生花店の店員さんの話に限りません。

 

運送会社でも似た事例はあります。

 

例えば配車マン。

「何とか大型トラック1台を手配できないでしょうか?」。

荷主担当者からこんな話はよくあるでしょう。

 

その際、いったい自社の配車マンはどのように対応しているかを

チェックするのは大事な経営者の仕事です。

 

「今日は無理です」

と即答してしまっていないでしょうか?

 

「今日はなかなか難しそうですが、一度いろいろと当たってみます」

と受け応えできているでしょうか?

 

例えば、点呼の時。

「健康状態は大丈夫ですか?」

「はい大丈夫です」

たったこれだけの会話をして、点呼簿の健康状態に「良」と書くだけの

事務的な点呼に陥っていないでしょうか?

 

「ちょっと声がかれているけど大丈夫?」

とか

「顔色が悪いように見えるけど、風邪でもひいた?」

とか

「だるそうに見えるけど、よく眠れた?」

 

こんな会話が点呼時にはとても大切です。

 

自分のことに少しでも関心をもってくれる人がいること。

それは想像以上に嬉しいものです。

 

聞いてもらったからといって、問題がすべて解決するわけではありません。

それでも「たった一言、二言」の気遣いでドライバーの心を潤すことになるはずです。

 

生花店での応対もそうでした。

当初の目的は叶わなかったのですが、

店員さんが一生懸命にダメモトでも探してくれた行為に満足したのです。

 

コミュニケーションのほとんどは、こんなものでしょう。

解決できる、できない、はさほど重要ではありません。

自分のために時間を割いて声をかけてくれたり、行動してくれたこと。

そのことに人は感動したり、嬉しかったり、するわけです。

 

社長と管理者とのコミュニケーションしかり。

管理者とドライバーのコミュニケーション、

配車マンと荷主担当者とのコミュニケーションしかり、です。

 

ちょっとしたコミュニケーション(気遣い)がとれているかどうか。

事故やトラブルが少ない運送会社かどうかの分岐点になりますね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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