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荷主を虜にする運送会社になろう!

ブランディング

「ご縁がないと出会えませんから」

 

名古屋で万年筆の販売、修理業を営んでいる店長さんの“ひと言”です。

 

ヴィンテージ万年筆を探しにふらっと立ち寄ったお店でした。

そこにあったのです。

他のものが全て背景になるくらい浮かび上がってみえる万年筆が。

 

「この万年筆は軸が太く、重量もありますが、

ペン先は柔らかいのであまり筆圧をかけずにサラサラ書くのに適していますよ」

 

その他にもたくさんの万年筆を試し書きさせてもらい、

こんなにも書き心地や字体が違うとは思っていませんでした。

 

やはり圧巻は店長。

本当に万年筆を愛している職人、こういう方から買いたい、

いや買わせていただきたい!そう思える稀有の存在感。

 

「売らんかな」という姿勢が全くなく、

ひたすら万年筆の魅力について実演したり、説明したりしている点がとても好感がもてました。

 

問題はお値段。

大手家具量販店のCM同様、「お値段以上」であることは疑う余地なし。

 

妻の顔が脳裏をよぎりました。

と同時に、「この万年筆を使えば村上春樹になれるかも!…」。

勝手に膨らみ続ける妄想。

 

この時です。

「ご縁がないと出会えませんから」

店長のひと言です。

この言葉には続きがあります。

 

「お金は働けば払えますけど、ヴィンテージの万年筆は次にいつ出てくるかは全くわかりませんので」

 

まさにその通り。

決して私を煽って言ったわけではなく、淡々と語ってくれました。

 

そもそも「ヴィンテージ」とはワインや車、オーディオなど

年代物の名品で希少品に対して使われる言葉です。

 

顧問先の中には20年、30年、はたまた50年を超える年代物、

ヴィンテージの運送事業者さんもいます。

 

日々積み重ねてきた高いサービス品質。

言うは易し、行うは難し。

長年にわたり荷主のクレームを1つ1つ丁寧に改善し続けた結果です。

 

優秀なドライバーを定着させる社風。

何回も雇っては辞められる中で、

がっかりしたり、つらかったりした社長さんの経験と改善の積み重ねの結果です。

 

これらの苦い経験や地道な改善の繰り返し続けた結果のヴィンテージ。

 

株価は乱降下しますが、

長期間に渡りコツコツと積み重ねてきた運送会社の価値は

そう簡単には値崩れしません。

 

自社のヴィンテージ化。

年月と手間暇のかかることですが、これ以上の経営、いや人生の楽しみはありません。

 

「ご縁がないと運んでもらえませんから」

こんな言葉を荷主から言われるヴィンテージな運送会社。

その実現を信じ通せる社長さんこそ希少なのかもしれませんね。

 

 

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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