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さらば!睡魔と戦う教育

ドライバー教育

運転中の眠気の抑制に効くのは何か?

 

先日、広島でデンソーさま主催の講演でお話しをさせて頂く前に、

眠気を抑制する技術について開発担当者の方が興味深い話をされました。

 

デンソーさんの技術では

運転席にセンサーを設置することで、ドライバーが眠くなりかかるタイミングがわかるらしいのです。

 

運転中に眠くなりかかったとセンサーが判断した際に、

ドライバーに向かって「冷気」を吹きかけることで眠気を抑制する仕組みです。

 

ただ、冷気だけを当てた場合、眠気を抑制する時間は約10分と意外に短かったのです。

 

そこで、冷気とは別に、違う刺激を追加することで眠気を抑制する時間を更に長くできないだろうか、と研究を続けて導き出した結論。

 

それが「匂い」だったのです。

ちなみにどんな匂いがいいかというと“わさび”とのこと。

 

“冷気”と“匂い”のハイブリッド。

五感のうちの、触覚と嗅覚に訴える方法です。

 

この方法で、なんと倍の20分、眠気を抑制できることがわかったのです。

 

重大事故の多くが「居眠り運転」による追突事故です。

この技術で眠気を抑えることが少しでもできれば素晴らしいことです。

 

五感を組み合わせるアイデアは、

2017年3月12日から厳しくなるドライバーに対する安全教育でもヒントになります。

 

従来型の教育は、聴覚と視覚をメインとしたものです。

教育者がひたすら資料を見せながら話す、という形です。

 

この方法でこれまでおびただしい数のドライバーを

深い眠りに誘っていたかは想像にかたくありません。

 

安全教育において“冷気”にあたるものは何でしょうか?

“匂い(わさび)”にあたるものは何でしょうか?

 

凍えるような、寒くなるような話を教育の中に少しだけ盛り込んでみる。

血生臭い事故の話を少しだけ盛り込んでみる。

 

もちろん、寒くなるような冷たい暗い話をするばかりがいい訳ではありません。

あくまでも“少し”がポイント。

いい塩梅にすることです。

 

教育も2つの目的があります。

1つ目は、運輸局の監査で法令違反にならないための事務的な最低限の教育。

2つ目は、本当に事故を減らすための最重要な教育。

 

今、どうしても1つ目の監査対策に目が行きがちです。

しかし、本来は2つ目の本当の意味で事故防止に役立つ教育が重要なはずです。

 

視覚、聴覚以外の触覚、味覚、嗅覚を活用した教育、ドライバーの感覚、感情に訴える教育をするにはどうしたらいいのか?

 

睡魔と闘うドライバーを救う教育ができるか。

“五感を組み合わせた教育”がポイントですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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