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軽井沢バス転落事故で分かった初任ドライバー教育の重要性

ドライバー教育

「運転に不慣れ」。

 

驚くべきことに、事故原因は、

過労運転でも、疾病運転でもなく、バスの構造上、整備不良でもなく、

「運転に不慣れ」でした。

 

軽井沢でのスキーツアーバス転落事故から1年以上が経過しました。

ここにきて、経営者と元運行管理者は刑事責任を追求されています。

 

元運行管理者は、

「事故前に事故を起こした運転士が大型バスの運転に不慣れであったことを社長にも報告していた」

との供述をしているようです。

 

社長は社長で

「不慣れであることは把握していなかった」

と話しており、よくある責任のなすりつけ合いの状況です。

 

警察は両者ともに「業務上過失致傷罪」で書類送検する方針です。

 

裏を返せば、安全教育を適切に実施していたら結果はどうだったのでしょう?

 

来月3月12日から改正される安全教育メニュー。

15時間以上の座学と20時間以上の実車指導教育。

 

死傷事故で違反らしき違反がない場合。

最後の最後で、まさかの「安全教育の不十分」での業務上過失致傷罪。

 

運送業経営で基本中の基本の安全管理。

それが「安全教育」です。

いまさらながら、その重要性に気付かされます。

 

私が主宰している一般社団法人トラック・マネジメント協会でも、

経営者による安全教育資料の作成に取り組んでいます。

 

新しい法令12項目の教育資料をパワーポイントで作成し、発表してもらう研修を実施中です。

 

先日、会員の一人の社長さんが語っていました。

 

「やはり自分で教育資料を読み込み、パワーポイントを作成すると、教育に対する力の入れ方が以前とは断然変わってきました。」

 

「どうやったらドライバーに少しは理解してもらえるだろうかを考えながらドライバーに話をするようになりました」

 

まさにその通り。

 

人間は自分が手間暇かけたものに愛着をもちます。

おのずと、熱が入るようになります。

 

社長自らが「安全教育」に時間を割き、ドライバーに語りかけること。

これ以上に安全の重要性を伝える方法はありません。

 

安全教育の基本は「自前」で定期的に行うことです。

 

外注教育では安全意識を“根付かせる”ことは難しいでしょう。

外注教育は、教育の“取っ掛かり”や“マンネリの打破”に役立つ方法です。

 

国交省から押し付けられた12項目の教育資料。

これをどのように自社色に染めるか。

 

安全教育には、社長の血を通わす一手間がどうしても必要ですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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