コラム一覧

ドライバーからの信頼度チェック法

ドライバー教育

「人間のおろかさは、決して命令や厳しさで直すことはできない。」

小説『氷点』の作者、三浦綾子氏の言葉です。

 

2016年12月に貨物自動車運送事業法が改正されました。

改正の概要は「プロドライバーの疾病運転の予防」です。

 

改正で健康管理の再検査の義務が明確になり、

今後、ドライバーへの健康管理に関する指導監督が重要になります。

 

健康診断結果で

「異常ありドライバー(=要検査、要精密検査、要治療)」をいかに再検査させるか。

 

これが優先課題になります。

 

読者のみなさんは、どのように指導しているでしょうか?

 

先日、デンソーさんのプライベートセミナーでも

同じ質問を参加者の経営者の方にぶつけてみました。

 

回答は2つに分かれました。

 

1つ目は、強制力をもって指導した事例。

要は、再検査を受診しなければ乗務させない!という指導法。

 

2つ目は、健康管理の重要性を話して理解を求めた、という指導法。

 

手っ取り早いのは1つ目の粛清型です。

 

2つ目は、ドライバーに健康管理を怠った時のリスクなどを

1つ1つ分かりやすく話をする必要があるので時間がかかります。

また、一発で全ドライバーが納得し、再検査を受診することは極めて稀です。

 

 

ひとたび健康管理の大切さが腹に落ちれば、

あとは指導が限りなく不要になります。

 

1つ目の方法は劇薬ですので効き目は早いです。

ただ、ドライバーが本当に自分の健康に日頃から気を使おうと思うかははなはだ疑問。

 

下手をすれば、会社が命令するから仕方なく受けているだけ、

というドライバーも多いかもしれません。

 

冒頭の言葉、

「人間のおろかさは、決して命令や厳しさで直すことはできない」です。

 

実はその続きがあります。

「心のしこりを融かすものは、寛容であり愛である。共に荷を負ってくれる忍耐である」

 

要は、“誰に”指導されたか。

これが最重要ポイントだということです。

 

同じ管理者という立場の人間が同じことをドライバーに話しても、

言うことを聞いてもらえる管理者と反抗されてしまう管理者がいます。

 

一体この違いは何なのでしょう?

 

それは「共に荷を負ってくれるたかどうか」です。

 

ドライバーがトラブルなどで困っている時、

親身になってフォローしているか?

 

ドライバーが体調不良なのに頑張ってくれた時、

ねぎらいの言葉をかけているか?

 

このちょっとした気遣いの違いです。

 

「人間のおろかさは、決して命令や厳しさで直すことはできない。」

ドライバーの健康管理を考える上で、実に奥深い言葉です。

 

日頃、いかにドライバーのことを親身になって

配車や点呼、構内作業の手助けをしているかどうか。

 

再検査の指導をした時、ドライバーがどのような反応をするのか。

これを見れば、社長力、管理者力があるかどうかが分かってしまいます。

 

それでは、賢明なる読者のみなさん。

肝試し、です。

 

勇気を持ってドライバーに再検査の指導をしてみましょう。

幸運を祈ります!

 

 

 

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

お問い合わせ・ご相談はお気軽にご連絡ください
052-212-8708
お問い合わせ 資料ダウンロード