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重大事故より怖いドライバーの「悪質違反」!

ドライバー教育

先日、関東地区の運送会社が「7日間」の営業停止になりました。

 

違反内容は

1)運転者に対する指導監督違反

2)高齢運転者に対する指導監督違反

3)初任・高齢運転者に対する適性診断受診義務違反

4)定期点検整備の実施違反

5)報告義務違反

の5つです。

 

さあ、質問です。

どうして、7日間の営業停止になったのでしょうか?

 

最近の営業停止事例でよくある原因の1つ、

「拘束時間等の乗務基準違反」ではなさそうです。

 

5つの違反内容でいきなり営業停止になるのは

1)と4)です。

しかし、1)の運転者に対する指導監督違反は

「まったく安全教育を実施していない」場合のみです。

しかも、その場合は「30日間」の営業停止になります。

 

4)の定期点検整備の実施違反も

「すべてのトラックについて定期点検が未実施の場合」のみです。

1)と同じく、その場合は「30日間」の営業停止になります。

 

今回は「7日間」の営業停止です。

 

原因は

1)の運転者に対する指導監督違反に関連するドライバーの交通違反です。

いわゆる「悪質違反」といわれる交通違反。

 

「悪質違反」と聞いて

どんな違反が思い浮かぶでしょうか?

 

a.過労運転

b.無免許運転

c.大型自動車等無資格運転

d.過積載運行

e.最高速度違反行為

f.酒気帯び運転(酒酔い運転を含む)

g.薬物等使用運転

h.救護義務違反

 

ざっと、こんな感じではないでしょうか?

 

この中で“重大事故を起こさなくても”

7日間の営業停止になるのは

a〜eの交通違反しかありません。

 

aとdは、今回の国交省の行政処分違反で指摘されていないので除外。

残り

b.無免許運転、

c.大型自動車等無資格運転、

e.最高速度違反行為

のいずれかが営業停止の原因ということになります。

 

調査したところ、b.「無免許運転」でした。

詳細までは確認ができませんでしたが、

おそらく中型免許が必要なトラックに普通免許で運転していて、

運送会社側もそれを知っていた、ということです。

 

要するに、

「運送会社がドライバーに無免許運転を命令または容認していた」ことが原因で、

7日間の営業停止になったのです。

 

某大手宅配業者も数年前に、

同様の違反をして元支店長等が書類送検されたことを思い出しました。

なぜか、その時は営業停止処分にはなりませんでした。

私の四十数年間の人生の中の“ふしぎ発見!”の1つです。

どう解釈しても解けない問題の1つです。

「忖度」という言葉を知らなかった私の青さが最大の解けない原因でした。

 

話を戻します。

 

今年3月に改正された教育指導項目12項目。

その中でも特に注意すべきは

a.過労運転

b.無免許運転

c.大型自動車等無資格運転

d.過積載運行

e.最高速度違反行為

f.酒気帯び運転(酒酔い運転を含む)

g.薬物等使用運転

h.救護義務違反

の8大違反です。

 

8大違反は“営業停止”に直結する致命傷の交通違反。

漏れなく教育を実施し、その後の監督指導も確実に実施しましょう。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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