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備えあれば、処分なし!〜国交省監査〜

国土交通省の監査

「死亡事故でも行政処分なし」。

 

先日、ある運送会社が死亡事故を起こし、国交省の監査を受けました。

 

午前10時から午後5時30分、監査官3名による息が詰まる監査!

結果は「文書警告」のみ

実質の行政処分は「ナシ」となりました。

 

運送会社の安全管理の支援をしている立場としてはベストの結果でした。

 

ただ、絶対に忘れてはならないのは亡くなられた方がいる、という厳然たる事実です。
亡くなられた方を今でも悲しく思う方々がいる、ということです。

 

社長さんからのご報告にも手放しでは喜べない状況です。

 

それにしても改めて思います。
運送会社の社長さんは大変だな、と。

 

さっきまで何もなくても、いきなり死亡事故が発生!
遺族の方への謝罪。
遺族の方からの容赦ない罵声。
警察の対応。
国交省の監査とその後の改善措置の実行。

 

今でも思い出すのが、ひき逃げ事故の謝罪から帰社した時のある専務さんの顔です。
その日、ひき逃げ重傷事故を起こした顧問先に急遽向かいました。

 

専務さんは被害者が入院している病院に謝罪に向かっているとのことで、
顧問先の事務所で帰りを待つことにしました。

 

2時間ほどして専務さんが帰社しました。

 

その時の専務さんの青ざめた顔。
何も言葉をかけられなかったことを今でも鮮明に思い出します。

 

いつも快活な専務さんがこんな生気のない落ち込んだ表情をしている。

 

「お父ちゃんを元のカラダに戻して!」
数ヶ月先に結婚予定だった娘さんに1時間以上に渡り、シクシク泣かれたようでした。

 

怒鳴られるより、シクシク泣かれる方がさぞ辛かったのではないでしょうか。

 

死亡事故を起こして簡単に開き直っている経営者を私は許せません。
しかし、死亡事故を起こして元気をなくしかけている経営者を見過ごすわけにはいきません。

 

安全管理に「もうこれでOK!」という終わりはありません。

ただ、ココまでは押さえておくべき、

という最低基準(法令の中でも特に重視すべきこと)はあります。

 

運送会社として最低基準を守ることは、この世に存在するための必須条件。

 

「日頃からコツコツ安全管理をしていてホントによかったです!」

顧問先の社長さんが事故を起こした際にふと口にする言葉です。

 

「備えあれば、処分なし」。

 

安全の神様は、コツコツ派の社長さんの努力を必ず評価してくれるのですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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