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『リスク』で分かる、運送会社の社長のレベル

経営者スピリッツ

「リスクをとる」ことができるか。

 

経営者として必要な大事な能力の1つです。

 

でも、「安全管理」についてはリスクをとってはダメではないのか?

そう誤解している運送会社の社長さんも多いはずです。

 

「安全管理」ではリスクをとる必要はないのか?

 

例えば、運送業の安全管理で最重要とされている労働時間。

 

長時間労働は過労や疾病につながり、

万が一、ドライバーが過労運転や疾病運転をすれば

取り返しのつかない重大事故が発生します。

 

 

安全管理で「リスクをとる」とは?

 

「労働時間を短くしたいのは山々だ。

ただそんなことを荷主に要望したら嫌われて、

挙げ句の果てに契約を打ち切られて大変なことになってしまう。

だからリスクをとって今の仕事をやり続けるしかない!」

 

内心、このような状況で経営をしている社長さんが多いのではないでしょうか。

 

ただ残念ながら、これは「リスクをとっている」とはいえません。

 

厳しい言い方ですが、

経営改善に真剣に着手せず、惰性で仕事をしているに過ぎません。

 

「運賃は現状のままで労働時間を短くするために荷主に交渉してみよう。

もしダメな場合は、この数ヶ月間で交渉してきた新たな荷主の仕事をなんとか獲得してやろう。」

 

これが本当の「リスクをとる」ことです。

 

労働時間だけ短くなっても、運賃を下げられれば何の意味もありません。

ドライバーの収入が下がれば離職されるだけだからです。

 

運賃は現状のまま、もしくは値上げする。

しかも労働時間は短くする。

 

そのために社長としてどんな戦略を立て、実行するのか。

 

現状の仕事を黙ってやり続けるのは、ぬるま湯に浸かっているのと同じ。

 

ぬるま湯から社長の意思で抜け出すこと。

これが「リスクをとる」ということです。

 

しかし、ぬるま湯から抜け出すのは本当に難しいです。

 

なぜなら中小運送会社の社長さんは、自分でやりたくないと思ったことを

やらなくてもよい環境にあるからです。

怠惰な自分を叱ってくれる人がほとんどいないのではないでしょうか。

 

その結果、お山の大将になりがち。

 

勉強会と称しても、ただの馴染みの集まりにすぎません。

 

業界団体や経営者団体で、いわゆる常連として参加しやすい場所に偏る傾向があります。

これが経営者として大きな弱点になるのです。

 

いわゆる「甘え」が生じるからです。

 

「仲間もそんなに無理していないから新しいことにチャレンジしなくても大丈夫かな?」

 

その心持ちがすでに経営者として衰退している兆候です。

 

運送業界に限らず、どんな業界であれ、本当に成長できるのは全体のほんの数パーセント。

 

周りと同じことで安心しているようでは前途茫洋です。

 

 

2017年、あなたならどうする?

 

果たして、ぬるま湯から脱却できる勇気を出せるでしょうか?

社長としてどんなリスクをとりますか?

 

 

“運賃値上げ”は、勇気を出して、

正しいリスクとった社長に対する最大の贈り物になるはずですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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