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ドライバーを活かすも殺すも経営者の言葉次第

経営者スピリッツ

「10回以上、手術を続ける患者さんもいますよ」。

私の親が30代の主治医の先生にかけられた言葉です。

以前も同じ病気で手術を受けていますが
その時の50代の主治医の先生は違いました。
「この病気は治る患者さんもいますよ」と勇気づけてくれたのです。

同じことを患者に説明しているのですが何が違うのでしょうか?

一方は、最悪の事実を誤解のないように正確に伝えようとしています。
昨今の医療ミスによるトラブルを予防する上では必要なことかもしれません。

もう一方は、患者さんの気持ちに寄り添っています。
いま、この患者さんはどんな気持ちになっているのだろうか?
何を不安に思っているのだろうか?
どうしたら前向きに病気の治療に専念してくれるだろうか?
こんなことを考えながら、患者さんに言葉をかけてくれたように思います。

以前、関東地区の運送会社さんから相談を受けたことがあります。
講演で活躍しているコンサルタントに依頼したら、社員コンサルタントが訪問してきたようです。
「ひき逃げで死亡事故では営業停止になりますね」
こんなことを言われたそうです。
これから何を優先して行うべきか。
最悪の事態を避けるために何かすべきことはないのか。
この点については一切、アドバイスがなかったようです。

法令どおり、説明するのは正確ではありますが、残酷なことでもあります。
また、実際にそのとおりになるかどうかは、いざ監査や捜査が入ってみなければわかりません。

そんな最悪の事態であっても
“ほんの少しの望み”を社長に伝え、その可能性に一緒になって賭けてみる。

これが一番重要なことのように思います。

冬季オリンピックが終わりました。
カーリング女子の話題で持ちきりです。
彼女たちもほんの数ヶ月前までは自分たちに自信を持てずにいました。

「私は君たちを信じているのに、君たちは君たち自身を信じていない」。
コーチの一言で彼女たちは生まれ変わりました。

自分たちのことを信じてくれる人が一人でもいること。
これほど勇気づけられることはありません。

「せめてその人のために頑張らなければ!」という思いにさせられます。

泣き虫の彼女たちは「笑顔を絶やさないようにしよう!」
そう決意してオリンピックに臨みました。

経営者も同じ。
ドライバーに対して、管理者に対して、事務スタッフに対して、協力会社のドライバーに対して、少しでも“明るくなる言葉”をかけているかどうか。

どんな時でも、誰に対しても明るい言葉をかけられること。
経営者としての幸せを決定づける大事な習慣ですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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