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次のステージに進んだ、山陽道トンネル事故!

お知らせ

今年2016年3月に発生した山陽道トンネル事故。
死者2名、重軽傷者70名前後の痛ましい事故でした。

先日、事故を起こしたドライバーが
「過労運転」の容疑で追送検され、容疑を認めている状況です。

事故までの約2ヶ月半で、わずか3日の休日。
事故直前の1ヶ月の拘束時間は約420時間と、
特例の320時間を遥かに上回っている状況です。

ついにこの事故は次の新たな段階に突入しました。

それは「運送会社の刑事責任」の追及です。
具体的には「過労運転の下命・容認」の容疑です。

現在、警察は誰が過労運転を指示したのかを捜査しています。
家宅捜索で押収した資料を基に、内偵捜査もしていることでしょう。

過労運転を命令したのは運行管理者なのか、それとも配車マンなのか。
はたまた社長自身なのか。

容疑が固まり次第、逮捕!というのが通常の流れです。

「俺はドライバーが過労だとは思わなかった。だから過労運転の命令なんかしていない!」
と主張しても後の祭り。

過去の判例では「過労運転の下命」の判断は大変シンプルなものでした。

キーワードは「運行管理規定」。

「運行管理規定には、事業者(管理者を含む)は
 過労防止に関する指導監督義務がある旨の規定がある。
 よって、事業者(管理者を含む)が拘束時間等の基準違反をしていれば
 過労状態にドライバーが陥ることは容易にわかるはずだ。
 だから知らなかった、などという言い訳は一切認めない!」

これが裁判所の判断なのです。

つまり、拘束時間が基準を大きく超えるような運行を
ドライバーに許可をした時点で、
過労運転の命令したことになってしまうのです。

あとは、乗務基準を大きく上回る拘束時間や乗務基準を満たさない休息期間などが
どのくらいの程度であったかが問題となるだけです。

今回のケースでは、
1ヶ月420時間の拘束時間や2ヶ月半で休日が3日、
という点から、限りなく過労運転であった可能性が高いでしょう。

ドライバーもフェイスブックで
「休みがねぇ」などの投稿もあったことを考えても
過労状態であった可能性が極めて高いです。

過労運転予防のための第一歩。
それは1ヶ月の拘束時間の特例320時間を超える月を減らすこと、です。

過労運転は“事故”ではなく“事件”です。

1ヶ月の拘束時間の総点検。
山陽道トンネル事故を“他山の石”としたいですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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