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二転三転する診断書!?

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2.27人。

東京都内39歳以下の、1日の平均自殺者数です(2014年度内閣府の統計)。

自殺の原因(あくまでも推測ですが)も様々です。

しかし1つ言えることは、この中に業務上の原因、
すなわち過労やパワハラなどの“労災”での自殺者も含まれている、ということです。

トラック運送業界にとってもドライバーの精神障害は避けては通れない問題となりそうです。

統計によると、精神障害で労災認定されるのは
40歳以下に多い傾向にあります。

平均年齢46歳前後と言われているトラックドライバーには
あまり関係がないように思えます。

ところが、全職種の中で精神障害による労災請求件数のワースト3。

それがトラックドライバーであることは紛れもない事実なのです(平成26年度の厚労省統計)。

精神障害=自殺ではありませんが、
精神疾病の人が自殺に至るケースも多いようです。

運送会社としては精神疾病になったドライバーの対処は
安全管理上、大変重要なことです。

運送会社としてまず実施すべきは、主治医の意見を聴くことです。

ドライバーに依頼して意見書をもらってくることが基本になります。

ただ、ここで問題となるのが主治医の意見書の内容です。

「原則、運転業務は可。
 ただし、不安発作が起き、心身安定剤を服用した場合には運転業務を避けること」。

大方これと似たような内容になることが多いようです。

果たして、運送会社の社長としてどう判断すればよいのでしょうか?

主治医の意見を鵜呑みにして運業業務を続けさせてよいのか?

それとも運転業務を中止したほうがよいのか?

非常に判断に迷うところです。

裁判でも主治医の診断書について問題になったことがあります。

「“勤務制限を要する”という診断書では就労不可と勤務先に判断されてしまう」
と患者から言われ、
“通常勤務可”の診断書を作成した、
との主治医の証言がありました。

主治医としては、
患者が勤務先を解雇されれば病状が悪化するかもしれない、
という配慮があったようです。

ところで、主治医の証言はどのようにして取り付けたのでしょう?

実は、労働者の同意を得た上で、
会社側が主治医と面談をした時の証言だったのです。

診断書もいろいろ、です。

主治医の診断書や意見書を鵜呑みにしない!

疑わしければ、主治医との面談を必ず実施しておくこと(労働者の同意は必要)。

後々の労務トラブル回避の処方箋ですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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