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“動かないリスク”を知っている運送会社の社長は少ない

お知らせ

「なぜ、拘束時間や連続運転時間の違反を
 減らすことができない運送会社が多いと思いますか?」

ある運送会社の社長さんに尋ねたことがあります。

社長さん:「いや、理由は簡単です。
      ただ単に自社の現状がどれだけ危ないかを知らないからですよ。
      私もデジタコを導入し、拘束時間や連続運転時間の違反状況を見て初めて愕然としました」

和  田:「どんな状況だったのですか?」

社長さん:「うちのドライバーはちゃんと4時間運転で30分以上の車両の停止をしていると信じていました。
      ところが蓋を開けてみてビックリ!
      毎日、連続運転時間を違反していたのです。
      しかも1ヶ月31件以上の乗務基準違反のドライバーが何名もいたのです」

こんな会話だったかと思います。

1ヶ月31件以上の乗務基準違反のドライバーが3名以上、
かつ、
拘束時間違反のドライバーが過半数で
「30日間の営業停止」処分になります。

自社の恐ろしい現状を知った社長さんの驚きは、大変なものだったことでしょう。

その日以降、ドライバーに連続運転時間を守るように教育をし、
会社側でもチェックをすることを始めたようです。

その甲斐あって1年経過後には相当な改善ができたのです。

この話には大切な教訓があります。
それは「経営リスク」に対する経営者の考え方です。

確かに労働時間を短くすると売上が下がることが多いです。

売上が下がるとドライバーの給料も下げる必要が出てくるかもしれません。

給料が下がるとドライバーが辞め、さらに売上が下がってしまう。

この“負の連鎖”に巻き込まれるのが怖い!

だから、“ジッとしたまま、何も改革をしない”経営者がいます。

一方で、
労働時間を短くすると売上が下がるかどうかなんて分からない。

「荷主に値上げ要請をしてみよう!」と覚悟を決めて行動に出てみる。

当然そのまま値上げになることばかりではありません。

しかし、値上げに成功することも出てきます。

その結果、労働時間を短縮しても売上は下がらず、
ドライバーの給料も下げずに済むこともあるのです。

実質の労働環境の改善です。

これが会社の魅力となって、ドライバーが定着し、更には求人にも困らない。

このように“正の連鎖”に入っている経営者もいるのです。

今やっていることに何の疑問ももたず明日も続ける。

一見真面目そうにみえますが、
裏を返せば、改革のできない不真面目な経営者でしかありません。

今日の売上ばかりに目を奪われている経営者は数多います。

一方、日々の業務を回すだけでは
最終的に経営が行き詰まってしまうことに気づける経営者はわずかです。

気づくだけでなく、
どうしたらこの問題を解決できるかの仮説を立て、
実行し、結果を見直すことを継続できるとなると、
極々わずかの経営者になってきます。

“動かない時のリスク”と“動いた時のリスク”。

賢明なる読者のあなたは、
「動かない派」?
それとも
「動く派」?

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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