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重大事故を起こしていなくても「過労運転下命罪」!

お知らせ

「過労運転をドライバーに命令した」
として兵庫県の運送会社社長が逮捕されました。

兵庫県警は運送事業者に対する取り締まりが厳しいことで有名です。

また、その斬新な捜査手法でも時々ニュースになりますが
今回も注目は“逮捕のキッカケ”です。

“ドライバーが高速道路の路側帯に停車していたこと”がキッカケでした。

「運転中に意識が落ちかけたので停車して寝ていた」。

この証言から運送会社の過労運転の命令があったのではと推察した訳です。

運送会社への捜査の結果、
会社が指示して長時間運行を継続して行わせていた事実が判明したのです。

今までは“重大事故等が発生した際に”発覚するパターンがほとんどでした。

事故が発生する“前”に過労運転下命罪で逮捕するケースは極めて稀です。

1ヶ月の拘束時間が400時間。
しかも数ヶ月間、継続。

乗務基準では原則293時間以内、特例でも320時間以内となっています。

大幅に逸脱していますので、過労運転であったと指摘されても反論できません。

やはり「過労運転」を判断する基準は「乗務基準」が基本になります。

主な乗務基準とは次の7つです。

1.1ヶ月の総拘束時間(原則293時間以内、例外320時間以内)

2.1日の最大拘束時間(16時間)

3.1週の拘束時間(1日15時間超2回以下)

4.1日の休息期間(連続8時間)

5.連続運転時間(4時間運転で30分以上の休憩等)

6.1日の運転時間(2日平均9時間以下)

7.1週の運転時間(2週平均44時間以下)

この中でも

1.1ヶ月の拘束時間

4.1日の休息期間

5.連続運転時間の中断

は特に重要です。

1ヶ月の拘束時間は一定期間の疲労の蓄積を示すものです。

1日の休息期間は1日の疲労を回復させるものです。

連続運転時間の中断は運転の疲れを緩和させるものです。

3つの乗務基準違反を減らしていくこと。
これが、過労運転をなくし、最終的には過労運転下命で逮捕、となることを防ぐことにつながります。

過労死防止法が2014年11月に施行されて1年になります。
今後、さらに一層、長時間労働について厳しく取り締まりが行われることが容易に想像できます。

過労運転下命罪の捜査手法も年々進化してきています。

“事故を起こしていなくても、違反事実だけでも逮捕される!”

念には念で、過労運転チェックをしてみましょう。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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