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安全管理は、急がば回れ

お知らせ

先日、名神高速道路で
中央分離帯に衝突したトラックが
道路左側のガードレールを突き破って
側道に転落する事故が発生しました。

ドライバーは社外に放り出され死亡しました。

原因は不明です。

ただ、事故を起こした運送会社は
約4年前にも東名高速道路で渋滞中の車列に追突し、
3名死亡の重大事故を発生させています。

ドライバーは逮捕され、
所長ら2名も数ヶ月後に逮捕される事件となりました。

結局、国交省の監査で多数の法令違反が発覚し、
7日間の営業停止処分となりました。

この痛ましい事故からまだ4年しか経過していない。

にもかかわらず、今回の高速道路での転落死亡事故。

いくらなんでも少し多いように思います。

今回の重大事故ではドライバーが社内に放り出されたことから、
おそらくシートベルトを着用していなかった可能性が高いです。

この事実を見ても、
やはり安全に関する指導監督が行き届いていない社内状況が透けて見えます。

まず、高速道路にもかかわらずシートベルトを着用していなかった。

なぜでしょうか?

それは、運転記録証明書による交通違反の把握をし、
違反内容に応じた個別指導を十分にできていなかったからでしょう。

では、なぜ、個別指導ができていなかったのでしょうか?

それは、指導監督する時間がなかったからかもしれません。

では、なぜ、ドライバーを指導する時間がなかったのでしょうか?

それは、拘束時間が長かったからかもしれません。

では、拘束時間が長いとどうなるのでしょうか?

それは、過労運転になります。

また、健康管理も手薄になります。

その結果、過労、健康を起因とする重大事故が発生する確率が格段に高くなります。

重大事故を起こせば、国土交通省の監査が入ります。

その結果、拘束時間等の違反が悪質の場合には、
営業停止等の厳しい行政処分を受けることになります。

その結果、事業経営に大きなダメージとなります。

会社のイメージ、信用低下になると、
良質のドライバーが集まらなくなります。

その結果、面接でのチェックが甘くなり、
質の悪いドライバーを採用するようになります。

次第に事故、トラブルが増加していきます。

そうしているうちに、ある日ある時、重大事故が発生!

“負のサイクル”に見事にはまってしまうのです。

「遠きをはかる者は富み、近きをはかる者は貧す」(二宮尊徳の言葉)

トラック運送業の安全管理もしかり。

目の前の売上を求めて拘束時間の改善をしないこと。

目の前の業務を回すためにろくにチェックもせずにドライバーを採用すること。

それが“近きをはかる”ということです。

「近きをはかる者は貧す」です。

賢明なる読者であるあなたは

果たして、“近き”をはかる者でしょうか?
それとも、“遠き”をはかる者でしょうか?

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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