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運送会社の存亡にかかわる2つの緊急ボタン

お知らせ

ご存知の方も多いと思いますが
1月に北海道の運送会社が
「30日間の営業停止」処分を受けました。

事業者の規模は従業員約200人、
資本金4500万円、ISO9000も取得している中堅規模の運送会社です。

営業停止になったのは「本社営業所」で、
41台のトラックが対象です。

昨年1月に改正された行政処分基準による
“全国初”の行政処分ということもあって、さまざまなマスコミで報道されていました。

監査のキッカケは「労働局の調査」です。

労働局の調査が入り、
乗務基準違反が発覚し、国土交通省へ通報。

通報を受けた国土交通省が抜き打ち監査を実施。

ここまでは今までと変わりありません。
よくあるケースです。

実際、運輸局の監査官も
「当初はこれほど(ひどい状況)だとは思わなかったが、
フタを開けてみると大変な違反状態だった」
とのコメントを述べているほどです。

監査の初めは運輸支局だったのを急遽、
上局である「運輸局」に切り替えたことからも、
初めから厳しい監査をするつもりでなかったことが分かります。

監査の結果、
1ヶ月31件以上の乗務基準違反のドライバーが3名、
拘束時間違反のドライバーが過半数いることが判明。

昨年1月に改正された行政処分基準に基づいて
「30日間の営業停止」処分、ということになりました。

“営業停止”というイメージから、
「死亡事故」などの重大事故さえ起こさなければ大丈夫だろう、
という間違った考えをもっている社長さんが多いです。

今回の事例をみると、
これまでの考え方を完全に改めなければならないことが
お分かり頂けたのではないでしょうか?

今後一番注意すべき最悪のシナリオ。

それは、労基署からの通報を受けた国土交通省の監査で、
“著しい乗務基準違反”が発覚し、30日間の営業停止になること、です。

これらかの運送会社の危機管理対策として大切なこと。

それは、労基署の調査で是正勧告を受けたら、
迅速に乗務基準違反を改善すること。

改善には2つの選択肢(ボタン)があります。

1つ目のボタン。

それは、1ヶ月31件以上の乗務基準違反のドライバーがいる場合、
すぐに30件以下に改善することです。

もし、それが無理なら、
2つ目のボタン。

同一営業所所属のドライバーの半数以上のドライバーの拘束時間違反を
ゼロにすることです。

この2つの危機管理対策ボタンの
“どちらか1つ”を即座に実行するしかありません。

労働局の調査。

これからの危機管理のキーワードですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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