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精神疾患リスクは「100」が分かれ目

お知らせ

長時間労働でうつ病になったとして、
家電量販店で働いていた社員が、勤務先を相手に
約1700万円の慰謝料等の損害賠償を求める裁判を起こしました。

この社員はうつ病を発症する直前3ヶ月間、
1ヶ月当たり135時間〜164時間の残業をしていた、
ということです。

すでに労働基準監督署は
時間外労働とうつ病の“因果関係”を認め、
労災認定をしています。

この“因果関係”があるかどうか。

これが労災になり、運送会社が
巨額の損害賠償請求をされるかどうかの
分かれ目なのです。

精神障害による労災になる基準。

それは、次の3つです。

1.労災認定基準に該当する精神障害であること。
(例:うつ病、急性ストレス反応など)

2.発病前6ヶ月間、業務による明らかな心理的負荷があったこと。

3.業務以外の心理的負荷や個体側要因(遺伝や個人のこれまでの人生に基づく精神障害)ではないこと。

この3つの基準のうち、
一番重要なのは上記2の
「業務による明らかな心理的負荷があったこと」
に該当するかどうかです。

発病前6ヶ月間、とうことですが
ここで例外が1つあります。

それは残業時間についてです。

残業時間については例外規定として次のような基準があります。

“3ヶ月連続”で
1ヶ月当たり“100時間以上”の時間外労働をさせていること、です。

実はこの基準に該当する運送会社は
意外に多いのではないでしょうか?

1ヶ月の拘束時間が320時間(特例)の場合、
時間外労働が100時間以上のケースは多いです。

もし、この基準に該当するドライバーが、
ある日、うつ病を発症した場合。
まさにこの時、ドライバーが動きます!

労災申請をしてほしい!
(労基署が調査にくるし、国交省の監査になるかもしれません)

慰謝料を支払ってほしい!(弁護士を雇って裁判になるかもしれません)

残業未払い分をまとめて支払ってほしい!
(社外労働組合(ユニオン)による団体交渉になるかもしれません)

いろんな要求が一気に押し寄せてくるでしょう。

賢明な社長さんなら、そうなる前に対策を講じることでしょう。

3ヶ月連続で残業100時間以上にならないような
配車を指示し、管理すること。

あらゆるリスクを回避するために、
残業時間のコントロールはこれから必須です。

1ヶ月100時間“未満”の残業時間管理。

精神障害リスク防止の重点対策ですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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