コラム一覧

過労死認定の盲点!

お知らせ

「この1週間は年に一度の超繁忙期。気合いを入れて頑張ってくれ!」

運送会社にとって、年末年始や年度末などは稼ぎ時です。
こんな檄を飛ばしている経営者もいるかと思います。

商売繁昌は大いに結構ですが、
ただ1つだけ大きなリスクがあります。

ドライバーが心臓疾患や脳疾患を発症して
「労災」になるリスクです。

いわゆる「過労死」のリスクです。

読者のみなさんは、過労死に関して
どんなイメージをもっているでしょうか?

数ヶ月にわたり拘束時間が長かったり、休息期間が不足していたりして、
疲労が蓄積された結果、心臓疾患や脳疾患を発症して死亡した場合。

これが一般的な過労死と思い込んでいませんでしょうか?

確かに一般的に多いのは“長期間”にわたって過重労働をさせた結果、
ある日ある時に発作を起こし亡くなるケースです。

「長期間」とは、
発症前“6ヶ月間”の労働状況を指します。

今回はそんな一般的な過労死のケースとは違う、
もう1つ忘れてはいけないケースの話です。

それが
“短期間”の過重労働で過労死になるケースです。

「短期間」とは、発症前わずか“1週間”程度です。

かなり驚かれた方も多いのではないでしょうか。

運送業は、お歳暮お中元の時期や引越しの時期など超繁忙期があります。
業界としては当たり前すぎて考えもしないのです。

運命の分かれ道は発症前“1週間”の労働環境等です。

労働時間、不規則な勤務、拘束時間、交替制勤務・深夜勤務。

これらの原因によりどれだけの精神的負荷や身体的負荷を発症前1週間で受けたか。

少し具体的にみていきましょう。

1つ目は労働時間についてです。

継続した長時間労働であったか。
休日は確保できていたか等をチェックされます。

2つ目は不規則な勤務。

予定されていた業務の変更の頻度や程度、
事前にドライバーにどの程度通知していたか、
予測していたかなどをチェックされます。

3つ目は拘束時間。

拘束時間数や実労働時間数、労働密度(いわゆる実作業時間と手待ち時間との割合)、
休憩仮眠時間数や休憩仮眠場所の状況などをチェックされます。

4つ目は交替制勤務・深夜勤務。

勤務シフトの変更度合いや勤務と次の勤務までの時間、
交替制勤務における深夜時間帯の頻度などをチェックされます。

前回の連載でもお話しました
過労死防止法が2014年11月に施行されました。

労災について、今まで知識がないために
泣き寝入りしていたケースがおおかったはずです。

しかし、これから労災申請は間違いなく増えるでしょう。

それと比例して、安全配慮義務違反に基づく損害賠償を求め、
運送会社が訴えられることが多くなるでしょう。

わずか1週間でも無茶な運行をさせない。

今までよりも細かい運行管理が必要な時代になりました。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

お問い合わせ・ご相談はお気軽にご連絡ください
052-212-8708
お問い合わせ