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ドライバー過労死3兄弟!

疾病運転

最近、ある運送会社で、入社後6ヶ月のドライバーが脳内出血を発症しました。

 

幸い運転中ではなかったため、重大事故等にはならずにすみました。

 

当該ドライバーの“雇い入れ時”の健康診断で気になる点は2つ。

1つ目は、中性脂肪649mg/dl(正常値149以下)。

2つ目は、γ-GTP178U/l(正常値50以下)。

 

診断結果は、肝障害について「要精密検査」、中性脂肪について空腹時「再検査」でした。

 

この件について少し考えてみましょう。

 

先日、運輸業の過労死(脳・心臓疾患)の予測防止に関する研究結果が発表されました。

 

注目すべきは、脳・心臓疾患による労災になったドライバーの既往症で多かったのが、高血圧症、高脂血症、糖尿病の順です。

 

高血圧症は高ければ降圧剤を服用してコントロールします。

糖尿病も薬を服用することでコントロールします。

 

ところが、高脂血症については放置されがちです。

 

高脂血症は、血液中の中性脂肪とコレステロールが増加している状態を言います。

 

「中性脂肪の数値が高い」と言われても、実際には痛くもかゆくもないので、本気で食生活を改善しよう!と決意する方は少ないでしょう。

 

ところが、脳・心臓疾患による労災認定されたドライバーは「高脂血症」が大きな要因となっているのです。

 

もちろん、ドライバーが中性脂肪の数値が高いこと自体は運送会社の責任ではありません。

 

高脂血症であったにもかかわらず、なんの指導監督もせずに、重大事故が起きたり、病気になった時。

 

その時、初めて、運送会社は「安全配慮義務」違反に問われることがあるのです。

 

今回の研究結果でもう1つの注目すべき内容。

 

それは、雇用から発症までの年数です。

“入社2年以内”での発症が約4割とかなり高い確率だったのです。

 

交通事故の発生件数が多いのは入社1年以内のドライバーと言われています。

 

そうすると、入社1〜2年以内のドライバーは

運転技術面でも健康面でもハイリスクの“要注意ドライバー”となります。

 

まずは、採用時必須3資料の「初任診断」「運転記録証明書」「雇い入れ時の健康診断」とニラメッコすることからスタート。

 

冒頭のドライバーの中性脂肪も雇い入れ時は649mg/dl。

ところが、わずか6ヵ月後には850mg/dlまで増加。

 

「血圧」「中性脂肪」「血糖」の健康3点セットの重点監視。

40代後半から50代の新規雇用ドライバーの安全対策の1つのですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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