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独身ドライバーを抱える運送会社のリスク

疾病運転

「脳梗塞を発症したドライバーをどう対処したらよいかでヒヤッとしました。」

 

ある運送会社の社長さんが神妙な面持ちで語ってくれました。

 

運行途中のドライバーと連絡が取れなくなったことから

そのアクシデントは始まりました。

 

GPS機能付きデジタコのおかげで居場所が判明し、

現場に急行したところ、意識不明となっている状態で発見。

急遽、救急車で病院に搬送されました。

 

そこで大きな問題が発生しました。

亡くなるかもしれないドライバーのことを、

誰に伝えればいいのか、ということです。

 

独身者らしく、入社時に取得していた「身元保証書」にも

元同僚が身元保証人として署名していました。

 

ダメ元で身元保証人の元同僚に電話したものの、

当然のことながら身内でもないため全く取り合ってはくれません。

 

やむを得ず本人の携帯電話の電話帳を調べたところ、

本人と同姓の電話番号が見つかりました。

 

電話をしたところ、実弟であることが判明。

ところが、その実弟からとんでもない言葉が返ってきたのです。

「兄をもう親族とは思っていない。会いたくもない」と。

 

幸いなことに、本人の意識が回復したため、結果オーライで今回はすみました。

 

しかし、もしドライバーがそのまま亡くなったりしていたら、

雇用主として葬儀を含め、ある程度の措置をする必要が出てきたのではないでしょうか。

 

今回のアクシデントの教訓。

 

それは入社時に適切な「身元保証人」を確保しておくことです。

既婚者の場合は配偶者だけでなく、親族も追加すべきです。

なぜ配偶者だけではダメか?

離婚する場合があるからです。

 

それともう1つ大事なこと。

それは、定期的に身元保証人の存在を確認することです。

 

入社時に身元保証人だった人が亡くなっていることもしばしばあります。

再度、身元保証書をもらうことが難しいケースもあります。

その場合でも、何かあった時の連絡先として

親戚関係者の住所、氏名、連絡先を確認しておくことは非常に重要です。

 

ドライバーのもしもの時の「身元保証人」。

 

核家族化が進み、単身世帯が全世帯の3分の1を超えた

日本の現状を目の当たりにした今回のアクシデント。

 

労務管理上、身元保証人は鮮度が命です。

 

みなさんの会社は

「ドライバーのもしもの時」のために、

確実につながる連絡先を把握しているでしょうか?

 

これも運送会社の危機管理の1つですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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