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ドライバーの品質を考える「5つの他者の視点」

物流ニッポン

この数年間でトラック、バスによる重大事故で安全規制が格段に厳しくなりました。

 

そのせいか、運送業界もコンプライアンス(法令順守)を最優先とする

“守りの経営”が続いています。

 

しかし、この守りの経営。

確かに非常に重要なのですが、これだけでは運送会社は成長できません。

 

やはり、スポーツ同様、「攻め」も必要になります。

 

「攻め」の経営、というとすぐ思い浮かぶのが「営業」です。

ところが、現時点で運送会社から「仕事を下さい!」という営業をしたらどうなるでしょうか?

 

「運賃を安くしてくれる?」

こう言われるのがオチでしょう。

 

何も戦略を考えずに「攻める」と、ろくなことはありません。

 

では、こういった時代には何をすれば良いのでしょう?

間違いないのは、ドライバーの品質を高めることです。

 

ただ「ドライバーの品質」といってもイマイチ理解しにくいのではないでしょうか?

 

ドライバーの品質を考える上でポイントとなる視点あります。

 

5つの「他者」視点

 

1.荷主企業、2.自社(社長、管理者など)、3.役所、4.一般人、5.同僚ドライバー。

 

1.荷主企業の視点

「もし、あなたが荷主の担当者だったら、どんなドライバーを指名したくなりますか?」

逆に

「もし、あなたが荷主の担当者だったら、どんなドライバーを出入り禁止にしますか?」

 

この質問に対して具体的に考えて、紙に書き出してみて下さい。

 

例えば

  • ハキハキと話す。
  • 言葉遣いが丁寧。(言葉遣いがいい加減)
  • 荷扱いが丁寧で商品事故がない。(商品事故が多い)
  • 構内ルールをしっかり守る。(構内ルールを守らない)

なとが挙げられます。

 

 

2.自社の視点

「もし、あなたが配車マンだったら、どんなドライバーだと助かりますか?」

逆に

「もし、あなたが配車マンだったら、どんなドライバーだと困りますか?」

 

この質問に対して具体的に考えて、紙に書き出してみて下さい。

 

例えば、

  • 配車マンの指示に協力的である。(自己中心的で配車に協力しない)
  • 地理に詳しい(土地勘がない)
  • 無断欠勤がない(平気で無断欠勤をする)
  • 車両点検をしている(車両点検をいい加減にしている)
  • 決められたコースのみ高速道路を利用する(勝手に高速道路を使用する)

などが挙げられます。

 

 

3.役所の視点

「もし、あなたが国土交通省や厚生労働省の役人だったら、

どんなドライバーがいる運送会社なら監査が不要だと思いますか?」

逆に

「もし、あなたが国土交通省や厚生労働省の役人だったら、

どんなドライバーがいる運送会社なら徹底的に監査しようと思いますか?」

 

この質問に対して具体的に考えて、紙に書き出してみて下さい。

 

例えば、

  • 点呼をしっかり受けている(点呼を受けずに出庫してしまう)
  • 休憩をしっかり取っている(連続運転時間を無視している)
  • 健康管理ができている(健康管理ができていない)

なとが挙げられます。

 

 

4.一般人の視点

「もし、あなたが一般人だったら、

どんな運転をするドライバーがいたらお礼や賞賛などの電話を運送会社にいれますか?」

逆に

「もし、あなたが一般人だったら、

どんな運転をするドライバーがいたら警察や国土交通省に苦情の電話をいれますか?」

 

この質問に対して具体的に考えて、紙に書き出してみて下さい。

 

例えば、

  • 法定速度を守った運転をしている(スピードオーバーの荒っぽい運転をしている)
  • 安全な運転をしている(携帯電話で話しながら運転をしている)
  • 適正な車間距離を保った運転をしている(車間距離を詰めた運転をしている)
  • 車線変更をゆっくりとしている(急な車線変更をしている)

などが挙げられます。

 

 

5.同僚ドライバーの視点

「もし、あなたが同僚のドライバーだったら、

どんなドライバーと一緒に働きたいですか?」

逆に

「もし、あなたが同僚のドライバーだったら、どんなドライバーと一緒には働きたくないですか?」

 

この質問に対して具体的に考えて、紙に書き出してみて下さい。

 

例えば、

  • 仲間に感謝している(仲間の陰口を言っている)
  • 積卸や洗車時に手伝ってくれる(自分の仕事が終わったら退社してしまう)
  • 交通情報(事故、天候、渋滞など)を教えてくれる(全く教えようとする気がない)

などが挙げられます。

 

5つの他者視点を社長、管理者、ドライバーの異なる立場で考え抜く

 

「自社の目指すべき理想のドライバー像」を共有していくことは

運送会社の差別化、ブランド化のはじめの一歩ですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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