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第2回「売上と安全、強いのはどっち?」

今回は、私がコンサル現場で本当によく見かける
"組織を蝕む原因"についてお話していきます。
それはズバリ「管理職に対する評価方法」です。
管理職はその性質によって2通りに分かれます。
1つ目は「営業マン」や「配車マン」です。
彼らは社長から「どれだけ売上を増やしたか」で評価されます。
2つ目は「運行管理者」などの安全管理スタッフです。
彼らは社長から「事故ゼロ等どれだけ安全品質を向上させたか」で評価されます。
これでバッチリ。「売上」と「安全」が両立できる。
そのように思えるのですが、実は盲点があります。
それは管理職間での力関係です。
このことは社長さんであればすぐに分かると思うのですが、
売上を上げる管理職と事故・クレームを減少する管理職。
あえてどちらかを選べ、と言われたら、どうでしょうか?
ほとんどの社長さんが「売上を上げる管理職」を選ぶでしょう。
そもそも売上がなくなれば安全管理すらできなくなるわけですから当然です。
ただ、ここで問題なのは、管理職も社長さんと同様に考えてしまうことなのです。
そうなると、
営業マンや配車マンが売上を上げるために安全を脅かす無理な仕事を取ってきた時に、
安全管理スタッフがそれを止めることが言いづらい環境にいつしかなってしまうのです。
営業マンや配車マンが獲得した仕事を最優先することで、
過労運転になったり健康診断・適性診断等を受診できなくなってしまうのです。
このような状況になっている運送会社は実に多いのです。
でも、多くの社長さんはそのことに気づいていないのです。
社長さんが思っている以上に、営業マンや配車マンが社内では力関係が上なのです。
ですから、この点をしっかり押さえて経営管理をしていかないと、
非常にバランスを欠いた経営に陥ってしまいます。
バランスを欠いた経営とは、
売上が向上していった挙句に
重大事故により営業停止という危機的状況に追い込まれる経営のことです。
売上と安全。
この"バランスがとれる"のは社長さんだけです。
安全管理スタッフの意見を聞いて、
営業マンや配車マンに対する評価方法を"売上一辺倒"ではなく、
「安全管理に対する協力度」という評価基準を盛り込んでみてはいかがでしょうか?

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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