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第7回「ドライバーは社長の思い描いた通りになってしまう」

今回の"組織を蝕む原因"は
「ドライバーのあるべき姿が示されていない」です。
意外かもしれませんが、
「自社のドライバーにどうなってもらいたいのか」
これを分かりやすく説明できる社長さんは非常に少ないです。
なぜ、このことが重要であり、
ドライバーに示すことができないことが組織を蝕む原因となるのでしょうか?
実は私の顧問先でも一人一人のドライバーの能力が高い運送会社というのは
意外に多いのです。
ただ、そういった運送会社はある一定のところまで成長すると
壁にぶつかって成長が鈍化することがあります。
私も最初はその原因が分かりませんでした。
しかし、そのような運送会社のドライバーの"行動特性"を私なりに分析したところ、
同じような行動特性が浮かび上がってきたのです。
それは、他の同僚に対する協調性がない、という行動特性でした。
確かに一人一人はしっかりと決められた業務を行うことができるし、
事故やクレームも少ない。
しかし、お互い同僚に対する協力や連携プレーが上手くできていないのです。
このような状況では、上手くいって1+1=2の成果しか上がりません。
本来ならドライバーの数が増えるわけですから、
1+1=2を超える成果が出なければ"組織化"の意味がありません。
厳しい言い方ですが、ドライバーの数だけ多い、
単なる個人事業主の寄せ集めの会社でしかありません。
このような運送会社は、今のような仕事が減少する時代になると
組織がバラバラに分解する危険性が極めて高いでしょう。
"組織"と思っていたのは社長だけで、
実は"自己中心的な人間のたまり場"にすぎなかった、ということなのです。
このような悲惨な結果に陥らないためにも
社長は「自社のドライバーにどうなってもらいたいか」を
明快にドライバーに語ることができるようになる必要がありあります。
明快に語るためには、社長さんが本当に真剣に考え、
具体的な行動指標を提示できなければダメです。
この部分は他人に任せることができません。
社長自身が深く遠く自社の未来を思い描く必要があるのです。
まさに社長にしかできないことであり、社長の責務なのです。
「ドライバーのあるべき姿が示されていない」
これも組織を蝕む原因の1つなのです。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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