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第4回「"ひき逃げ"は誰の責任か?」

今回も「一発営業停止」の予防策のお話です。
6つの一発営業停止になるケースの3つ目です。
次の1と2の両方ともに該当した場合には、違反営業所は7日間の営業停止になります。
1.トラックドライバーが、酒酔い運転、酒気帯び運転、薬物等使用運転、救護義務違反を伴う重大事故等を引き起こしたとして公安委員会から道路交通法通知等があった場合で
2.運送会社が1の違反行為に係る指導監督を明らかに実施していない場合です。
前回までにお話しした2つのケースとの決定的な違いがあります。
それは"重大事故"を引き起こした場合であるということです。
更には救護義務違反、すなわち"ひき逃げ"による重大事故も営業停止になることです。
飲酒運転について運送会社の責任が問われることは誰も異議を唱えないでしょう。
しかし"ひき逃げ"について運送会社に重い責任を課されることに
納得いかない社長さんは多いと思います。
人をはねて逃げる。
そんなことをするドライバーの尻拭いまでさせられたんじゃ、たまったものじゃない!
事実、そんな不満を漏らす社長さんもいます。
ただ、今回の一発営業停止の基準をよく読みますと、
「運送会社が飲酒運転やひき逃げなどの違反行為に係る指導監督を明らかに実施していない場合」
という条件つきであることが分かります。
ということは、指導監督が確実に実施されていることが証明されれば、
一発営業停止にならずにすむ可能性がある!ということなのです。
例えば「ひき逃げ違反の防止」の指導監督について言えば、
事故を起こした時の連絡体制ができていることが必要です。
具体的には、第一報は119番から始まり、110番、その後に会社に連絡する、
というフロー図をドライバーに渡し、周知徹底を図ることが大切です。
さらに、ドライバーに対して事故発生時の対処方法を教育する必要があります。
負傷した人を安全な場所に移動させたり、
後続車による二次災害を予防するために三角表示板や発煙灯など
必要な措置について教育をします。
その際に使用するテキストとして、
運転免許更新の際に警察署から交付される「交通の教則」は挿絵などもあり、
なかなか素晴らしい内容ですのでぜひ活用しましょう。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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