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第6回「経営者が予防できる項目を地道に対策する効果とは?」

今回も「一発営業停止」の予防策のお話です。
6つの一発営業停止になるケースの5つ目です。
次の1及び2のいずれにも該当する場合には、違反営業所は3日間の営業停止になります。
1.トラックドライバーが重大事故等を引き起こした場合で
2.そのドライバーについて、乗務時間等告示の各事項の未遵守が31件以上あった場合です。
ポイントは重大事故を起こしたドライバーが乗務時間等告示基準の違反を何件していたかです。
具体的には、
(1)拘束時間
(2)休息期間
(3)運転時間
(4)連続運転時間
の4項目が基本になります。
(1)の拘束時間については
イ.原則1ヶ月293時間以内であるか。
ロ.例外でも年間拘束時間が3,516時間を超えないことを条件に、労使協定により年間6ヶ月を超えない月において、1ヶ月の拘束時間を320時間以内であるか。
ハ.1日の拘束時間は13時間以内であるか。
ニ.最大でも16時間以内であるか。(この場合、1日の拘束時間が15時間を超える回数は1週間で2回以内)
(2)の休息期間については
勤務終了後、継続8時間以上の休息期間を与えているか。
(3)の運転時間については
イ.2日を平均し1日あたり9時間であるか。
ロ.2週間を平均して1週間当たり44時間以内であるか。
(4)の連続運転時間については
運転開始後4時間以内又は4時間経過直後に30分以上の休憩を与えて運転を中断させているか。
大雑把ですが、上記4項目について違反件数が31件以上になった場合に3日間の営業停止になります。
重大事故は誰にも予測できません。
ですから拘束時間や連続運転時間等を守ることができるように地道に改善していくしか方法はありません。
特に"連続運転時間"は会社側がドライバーに指導することでかなり改善できます。
1日の拘束時間も最低でも16時間以内になるよう改善しましょう。
更に、荷主の中には「拘束時間オーバー」で運送会社が営業停止になるという事実を知らないところもあります。
このような荷主に対しては運送会社の行政処分事例を見せながら上手に説明していく努力を怠ってはいけません。
「情報発信」は経営戦略の1つです。
"情報の伝え方"を運送業界はもっと研究していく必要があるのかもしれませんね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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