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第9回「監査官も驚く運輸安全マネジメントの効果とは?」

ある運送会社が不幸にも重大事故を起こし、"抜き打ち監査"に入られてしまいました。
しかし、その運送会社は"事故後の措置"がとても素晴らしかったです。
とにかく事故発生時点での法令上の問題点を私と一緒にすべて洗い出しました。
そして、優先順位を決定し、すぐに改善に着手しました。
対面点呼については管理者の勤務交番表を作成し、24時間点呼に切り替えました。
営業所と車庫が離れていることも対面点呼の実施に支障があるとして、営業所と車庫を同じ場所にするため物件を探しました。
物件探しは当初かなり難航しましたが、何とか良い物件を見つけることができ、無事営業所の移転手続きを完了させました。
「対面点呼の実施率を向上させるために営業所を移転する」ということは社長さんの立場からすると、相当費用がかかり経営を圧迫しますのでかなり躊躇されるケースが多いです。
ところが、その会社の社長さんは管理者の意見を尊重し、移転を決断しました。
監査では、偶然「運輸安全マネジメントの資料」を監査官の方が見つけ、「お宅は運輸安全マネジメントを実施しているんですね」と訊かれ、かなり感心されたそうです。
今回のような抜き打ち監査の時に私が2年以上にわたり毎月コンサルティングをしていた成果がやっと出た形となりました。
やはり4年前に義務化になっているとはいえ、運輸安全マネジメントを導入している中小運送会社はまだ少数なのかもしれませんね。
更に点呼記録に「アルコールチェックのチェック欄」が既にあったことも感心されたそうです。
この運送会社さんのように陰日向なく安全管理に取り組む姿勢は、監査というピンチの場面でも正当に評価されます。
日頃から運輸安全マネジメントを導入していたために、この会社は自社の問題点を正しく把握しており、すぐに改善行動に移す事が出来たのです。
重大事故を起こした時は、本当に時間がありません。
精神的にもかなりの負担がかかります。
やはり"平時から"安全管理をしっかりと取り組み、自社の何が問題で、どうしたらよいかを社内でじっくり話し合っておくことが本当に大切です。
なぜなら今回のように重大事故を起こしても、適切な改善行動を迅速にとることで、行政処分も最小限に抑えることができるからです。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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