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「点呼未実施」の初回違反、その後の対処が運送会社の経営を左右します

ひので~す

運送事業者を悩ます「深夜早朝の対面点呼」

「運送事業者の安全管理」。なかでも最も優先すべき対策について、これまで3回にわたる連載でお話しました。具体的には、

  1. 労働時間管理(過労による居眠り運転事故を防止するため:過労運転防止)
  2. 健康管理(運転中の発作による事故を防止するため:疾病運転防止)

の対策についてです。

運送事業者において、この2つの対策を除いて重要な安全管理はない、といっても過言ではありません。読者の皆様はすでに対策に着手されていることでしょう。今回は、上記の過労運転や疾病運転に加え、事故を起こさないようにするための最後の砦となる安全管理、「点呼」についてのお話です。

点呼での一番の悩み。それは「深夜早朝の対面点呼」が難しいことではないでしょうか?ではなぜ、深夜早朝の対面点呼が難しいのか。おそらく、人件費の増大で経営的に苦しくなることが考えられます。深夜早朝に対面点呼が必要なドライバーが多数いる場合はよいのです。しかし、そうでない場合が問題なのです。

わずか数名のために深夜早朝に点呼者を配置するコスト。これがなかなか大変で、やむなく対面点呼を実施していないケースがあるかと思います。

「深夜早朝の対面点呼」はとても重要です!「うちの会社は深夜早朝も点呼をしているから絶対にバレる」とドライバーに思わせることで、究極の飲酒運転防止対策にもなります。

「点呼の未実施」の再違反は経営上大きなダメージに

では例として、点呼を実施しなかった場合(「点呼の未実施」)の違反について考えてみましょう。新基準では点呼必要回数100回中、点呼ができなかった回数で行政処分が決定されます。100回中、点呼未実施が19回以下なら「初回」は「警告」処分。つまり車両停止などの行政処分はないため、経営上のダメージは実質ありません。ところが、初回違反で味をしめて、その後点呼の実施が甘くなり、未実施回数が50回以上になるとどうなるのでしょうか?

前回の警告処分から“3年以内”に同じ点呼未実施違反を指摘された場合、再違反の「40日の車両停止」となります。初回「ゼロ」だったことを考えると、再違反40日の車両停止処分はかなり“ギャップ”があることが分かります。

さらに、点呼未実施違反は「記録なし」違反にも該当します。記録なし違反も、「一部」記録なし違反の場合、「初回」は「警告」処分です。しかし、再違反になると「10日の車両停止」処分となります。「点呼未実施」と「記録なし」の2つの違反は、初回は「警告」、再違反で最大「50日の車両停止」となり、つまり「再違反」こそ、今回の行政処分で注意すべきキーワードなのです。

一方で、初回違反の「警告」。この「警告」処分を読者の皆さんはどのように捉えるでしょうか?この程度の行政処分しかこなかった、と考えるか?それとも3年以内の再違反でのリスクを見据え、安全対策の強化を図ろうと考えるか?すべては社長の安全に対する考え方次第です。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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