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一般人からのクレーム!思っている以上に厳しく監視されています!

ひので~す

「一般人からのクレーム」で、あわや運輸監査になるところだった!

運送会社に対する一般人からの「クレーム」。実は、一般人が“誰に”クレームを報告するかで、状況が大きく変わるのです。

今更ながら「クレーム」防止のための教育は大切です。運送事業者の皆さんは確実に取り組んでいかなければなりません。では、クレームの認識が甘かったために、あわや運輸監査になるところだった事例を紹介します。

事例:クレームで国土交通省から口頭指導

中部地区のある運送事業者は、夜間、公園の駐車場にトラックを駐車していたことを周辺住民が警察に通報したことにより、国土交通省から口頭指導を受けました。

口頭指導の結果、クレーム再発防止に関する安全教育(指導監督)資料を提出することで監査にならずに済みました。

 

この事例で分かること。それは、一般人からのクレームであっても、国土交通省の監査にまで発展してしまう恐れがある、ということです。

監査となれば、安全指導監督の実施状況は当然チェックされますが、それ以外の法令順守状況もチェックされることが多いです。その結果、法令違反が発覚すれば行政処分を受けることになり、経営に大きなダメージを受けることになりかねません。

クレームを侮ると厳しい処分につながることも

今回のクレームの内容は次のとおりです。

ドライバーが運送会社の駐車場まで帰らずに、自宅に直帰したのです。当然自宅にはトラックを駐車するスペースがないため、近所の公園の駐車場に駐車した、とのことなのです。ところが、トラックが公園の駐車場に夜間ずっと駐車しているのを不審に感じた周辺住民が警察に通報。通報を受けた警察は、事業用トラックなので、所轄の運輸支局にその事実を伝え、指導を要請したのです。

「お宅の認可駐車場は◯◯市にしかないはずですが、どうして×△市の公園にトラックが常駐しているのですか?」運輸支局からの電話の内容です。「そうすると、対面点呼はどうしているのですか?」さらに厳しい突っ込みが入ります。

なぜ、クレームからここまで厳しい質問を受けることになるのでしょうか?

実は、国土交通省の公示「自動車運送業の監査方針について」の中で、「苦情等の状況を勘案し、監査を行うことが必要と認められる事業者」を監査対象として規定されているからなのです。たとえクレームであっても、その背後に法令違反が潜んでいると考えられる場合には監査を行うのです。

運輸支局から電話を受けた際、運送会社の社長は、たまたまその日直帰させてしまったこと(配車係の独断で)、翌日すぐにドライバーと配車係を集めて指導をしたことを運輸支局の担当者に伝えました。

ところが、その説明で終わると思いきや「それでは、今すぐにFAXで指導記録を送って下さい」と運輸支局の担当者に言われたのです。

実際に指導を行い、指導記録もありましたので、すぐに資料をFAXで送ったところ、再び運輸支局から電話が入りました。「今回は指導もすぐにしているのでこれで終わりにしますが、今後このようなことが絶対にないようにお願いします」そう注意されて事なきを得ました。

どうでしょうか?クレームを侮るなかれ、です。

“つねに監視されている”ことを念頭に置いた教育の実施を

ところで、この「クレーム」。今回ご紹介したもの以外によくあるのは、公道での危険な運転をした場合のクレームです。

幅寄せや無理な追い越し、強引な割り込みなどにより一般人からクレームが出るケースです。これらのクレームは一昔前なら電話で怒鳴られ、会社側が謝罪して一件落着でした。

しかし、今は違います。最近はクレームの原因となった事実を「録画」されてしまいます。なぜなら、乗用車にもドライブレコーダーが装着されていることが多いですし、スマートフォンで動画撮影も簡単にできてしまうからです。

これが大きな変化です。実際、動画を運輸支局に持ち込まれ、呼出し指導になったケースや動画をインターネット動画サイトに投稿されたケースがありました。

クレーム防止の対策のメインは、やはりドライバーに対する教育になります。「えっ!こんなことでも一般人からのクレームになるの?!」という視点で教育していく必要があります。

時々、一般人の運転が横着でトラックドライバーがついカッ!となってラクションを鳴らしたり、少し荒っぽい運転をしていることがあります。

そんな時でも、その事実を知らずにその状況を見た一般人からは、ドライバーが荒っぽい運転をしていたことのみで、会社に対して悪い印象をもつことになります。

自分に非がないと思っても、絶対にムキにならずに、冷静な運転をを心がけること。これこそが社会から認められるプロドライバーだ、ということを折に触れて何回も指導していくことが大事です。

「一般人はこちらが思っている以上にトラックを厳しく監視している!!」

この意識を常に持たせること。これがクレーム防止教育の根幹ではないでしょうか。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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