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通常なら考えられない無免許運転。運送会社が「知らなかった」で大丈夫?

ひので~す

食料品の消費期限切れは一大事!運送会社なら◯◯期限切れは一大事!!

「そんなバカな!ドライバーが無免許運転なんて」。運送会社が最も油断するのがドライバーの無免許運転です。なぜなら、運転免許をもっていなければ、そのドライバーを採用しないからです。

確かに“採用時”には確認しているでしょう。問題は“今”運転免許証が有効かどうか、ということです。では一例として、無免許運転が発覚した場合に考えられる、厳しい行政処分のケースを紹介します。

ケース1:無免許運転の発覚後、運送会社が無免許運転防止のための指導監督を実施していなかった場合

関西地区のA運送会社は、死亡事故を起こしました。ところが話はこれだけでは終わりませんでした。何と「無免許運転」であることが判明したのです。

ある日、国土交通省の監査があり、健康診断未受診、点呼違反、運転日報の不備、運転者に対する指導監督が不適切、3ヶ月点検の未実施など7つの法令違反を指摘されました。違反点数は25点、250日車の車両停止処分になりました。

ところが、です。それらの行政処分を遥に凌ぐ大きな代償が待っていました。なんと「3日間の営業停止処分」にもなったのです。

ケース2:無免許運転を命令、容認していたとして、公安委員会が通知したことによって国土交通省が監査に入った場合

関東地区のB運送会社は、無免許運転を命令、容認したとして公安委員会から国土交通省に通知されたことにより、国土交通省の監査を受けました。

監査の結果、運転者に対する指導監督違反、点呼実施違反、3ヶ月点検の未実施違反、報告義務違反など4つの法令違反を指摘されました。違反点数は9点、90日車の車両停止処分になりました。

ところが、です。こちらも事例1と同じく、それらの行政処分を遥に凌ぐ大きな代償が待っていました。なんと「7日間の営業停止処分」にもなったのです。

管理者は運転免許期限の確認を確実に!

なぜ、ケース1、2ともに営業停止になったのでしょうか?

ケース1は「無免許運転で重大事故を起こし、無免許運転防止の“指導監督”ができていなかった」からです。

ケース2は「無免許運転を“命令、容認”していた」からです。

無免許運転の防止は、運送会社の安全管理の中で最も初歩的なものです。それゆえ、軽視されるものでもあります。

自社のドライバーが無免許運転をするわけがない、という思い込み。安全管理は、思い込みが最大の敵です。

では、無免許運転を防止するための対策はどのようなものがあるのでしょうか?

まず、対面点呼時に免許証の提示をさせて確認すること。超アナログですが、一番確実な防衛策です。最近では免許リーダーという大変便利な機器がありますので、その活用もいいですね。運転免許の更新時期も管理され、お知らせする機能もあります。

次に、「運転記録証明書」の定期的な取得です。累積違反点数が免停直前まで迫っているドライバーは特に要注意です。仮に免停になった場合でも、会社に知らせずにそのまま運転する恐れもあります。

当たり前を当たり前に実施するためのルールづくりを

そういった意味では、公私問わず、交通違反や交通事故を起こした場合には必ず会社に報告するルールを徹底しておくのは大切です。

素直に申告した場合は指導ですむが、後日、運転記録証明書の取得時に発覚した場合には罰則等を科す、という規則を予めドライバーに周知することも有効ですね。

更新切れや免停中のドライバーを運転させるのは、消費期限切れの食材を販売するのと同じです。

運転免許証の鮮度である有効期限を確認すること。当たり前が最大の盲点になります。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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