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第3回 人件費は"コスト"or"投資"?

中小運送会社の社長力

前回、コスト削減にも"プラス"と"マイナス"の2つがありますよ、という話をしました。 繰り返しますが、経営者として本当に重要なのは"長い目線"で経営を見渡すことができるかです。 それでは、「人件費」についてはどうでしょうか? 人件費は"コスト"でしょうか? 社長さんが"コスト"と考えるなら"削減"の対象になるでしょう。確かに、事故やトラブルの多いドライバーであれば、解雇や給与カットという"削減"をしても仕方ないでしょう。 問題は、そうではないドライバーの場合です。 事故もなく、トラブルもない。 配車に協力的で、荷主に評判もいい。 こんなドライバーの給与までカットしたり、解雇してしまうと大きな問題になります。 社長さんが想像している以上に、その情報は会社内にスグに広がっていきます。 広がるだけでなく、真面目で優良なドライバーの心の中にも深く突き刺さっていきます。 この心に突き刺さったトゲが大問題なのです。 「俺はこれだけ頑張ってきたのに、どうしてなんだ?!」 「このままこの会社にいても将来はないかもしれない?!」 「今度は、自分がクビになるかもしれない?!」 そんな不安や疑心を社長さんに対してもち始めます。 この状態を放置しておけば、会社は内部から崩壊していきます。 その兆候は、まず優秀なドライバーが自分から辞めていきます。 残るのは、どこに行っても通用しないドライバーばかりです。 こうしてその運送会社は衰退していきます。 これが間違ったマイナスの"コスト削減"の恐ろしさです。 ただ、ここで注意したいのは給与カットが必ずしもダメだ、といっているわけではありません。 給与カットをしなければならない理由を、分りやすく納得のいく形でドライバーに説明しているか。 しかも、業績が回復した際には必ず給与を元に戻す。 さらに業績が回復したら給与アップもしたい!と"約束"できるかどうか。 社長さんが高級車に乗っているのに、ドライバーにだけコスト削減の協力を求める、という矛盾した行動を取っていないでしょうか? ドライバーさんは社長さんの"言行不一致"を簡単に見抜きますよ。 普段からドライバーを大切にしている社長さんかどうか、真価が問われるところなのです。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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