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第6回 自分の会社に本当に優秀なドライバーはいませんか?

中小運送会社の社長力

先日、私の顧問先のコンサルティングでこんなことがありました。 出席者は専務さんと主任、それに総務の方でした。 部長さんは欠席していました。 珍しく、主任の方がいろいろ話をしてくれました。 その中で、自社には非常にやる気があり、荷主さんからも喜ばれているドライバーが何名もいる、ということを話されました。 ただ、ここが大きな問題なのですが、専務さんがその事実を把握していなかったのです。 ということは、その優秀なドライバーに対して"適切な評価"ができていなかった、ということになります。 「適切な評価」とは ?ドライバーを呼んで直接褒めること。 ?全社員の前で表彰をして褒めること。 ?手当てを支給すること。などがあります。 この「適切な評価」をしないと、やる気があるドライバーが次第にやる気をなくしていきます。 例えば、他のやる気のないドライバーと同じレベルになってしまうかもしれません。 例えば、自分を評価してくれない運送会社に嫌気が差して辞めてしまうかもしれません。 例えば、今は辞めなくても、景気が回復したらスグに辞めてしまうかもしれません。 このような運送会社の末路は哀れです。 なぜなら、残ったドライバーはすべてやる気のないドライバーばかりだからです。 でも今回、主任から本音を聞きだすことができたのは顧問先の運送会社さんにとってはラッキーでした。 何が問題かが分ったからです。 要するに、この会社には優れたドライバーを評価する仕組みがなかったのです。 原因は、荷主に褒められたドライバーの情報を部長までで止められていて、専務や社長にまで情報が伝わっていなかった点です。 本来なら、部長さんが部下の優れた点を経営者に報告して、是非とも評価して欲しい!とお願いすべきところです。 本当に部下を育てようと思っているならばです。 それが現場の雑談程度で終わっていたのです。 これでは、せっかくドライバーが一生懸命に仕事をしても、なかなか報われません。 やる気を持続することができません。 ですから次に打つべき手として、ドライバーが荷主から褒められた場合に、迅速に経営トップに情報を伝えるルール作りをすればよいのです。 そして、社長や専務がそのドライバーを適切に評価すればよいのです。 ドライバーに限らず人は、評価されるとやる気がドンドン出ます。「うちのドライバーはたいした奴がいない!」という前に、社長にやるべきことがあります。 ダイヤモンドに埃がかかっているのに気づくことです。 やる気のあるドライバーが自社にいることに、いち早く気づくこと。これも大事な社長力の1つなのです。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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