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第7回 安全管理で何から手をつけたらよいか分からない!そんな時には迷わず「5S活動」!

中小運送会社の社長力

アマチュア無線をつけて走行していたドライバーに対して、事故防止の観点から取り外すように命令したところ、命令に従わない。それ以外にも社内ルールを守ってくれないんだが・・・。ある運送会社の社長さんからお電話を頂き、急遽、安全会議に出席することになりました。その時の出来事です。社長さんが、アマチュア無線を取り外さない理由をドライバーに聞いたところ、「眠気覚ましに必要だ」「道路交通情報がタイムリーに入ってくるので便利だ」果てには「ネズミ捕りの情報が得られるから重要だ」といった、非常にあきれた意見までありました。しかも、当のドライバーは全く悪びれない態度です。とどめは「無線は法律に違反していないから問題ない!」と開き直る始末です。実は、これは50歳以上のベテラン(?)ドライバーに多い事例なのです。原因は一昔前の悪しき慣習を引きずっているからです。確かに一昔前なら、飲酒運転ですら大らかな時代でした。サービスエリアで仮眠に入る前にちっと一杯飲んでから、ということも珍しくなかったでしょう。しかし、今は21世紀。"価値観"が大きく変化しているのです。自分だけが、その変化に気づかない、"気づきたくない"だけなのです。そこで私は安全会議の席で声を大にして話をいたしました。「もし、皆さんの大切な奥さんや旦那さん、さらにはお子さんや、お孫さんが、今日、皆さんの会社のトラックに轢かれて亡くなったとしたら、そのドライバーや運送会社を許せますか?」と。ほんの少しだけ想像力を働かせれば誰にでも分かることです。そんな安全意識の低いドライバーを当然許せるわけがありません。では、安全意識の低いドライバーを乗務させた運送会社はどうでしょうか?運送会社に対しても、大きな憤りを感じることでしょう。であるならば、交通事故を起こす恐れのある行為は止めましょう!そうお願いしました。実は、このような自分勝手な主張や行動をするドライバーには同じ傾向が見られます。それは「5S」ができていない、ということです。あいさつ、言葉遣い、服装、態度など人間としての基本ができていないドライバーは、やはり事故・トラブル・ミス・クレームが多いのです。当然、協調性なんてありません。今まで「5S」を軽視もしくは半ばあきらめて徹底してこなかったツケが、このような現象として表面化しているのです。まさに「5S」を侮るなかれ!です。「自社のドライバーのあるべき姿」を社長さん自身がもう一度深く考え抜いた上で、ドライバーにその重要性を語りかけていく力。価値観が大きく転換している今、最も求められている「社長力」なのです。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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