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第8回 「物言えぬ社員の声」、社長には聞こえてますか?

中小運送会社の社長力

最近、Gマークの取得や安全マネジメントの導入の相談をよく受けます。社長さんとの最初の打ち合わせで、ヒヤリングさせていただくと、二通りの答えに分かれます。1つ目は「弊社はほとんどできているから、Gマークの取得や安全マネジメントの導入は簡単にできると思う」という回答。2つ目は「弊社はまだまだ至らないところが多いので、本当にGマークの取得や安全マネジメントの導入は本当にできるでしょうか?」という回答。私の経験上、大体問題となるのは1つ目の社長さんなのです。なぜならこのタイプの社長さんは間違いなく、頭の回転が速いからです。優秀であるがゆえに、事業も拡大路線、しかも急成長を目指すタイプが多いです。いわゆる「突っ走り」型です。実はここが盲点なのですが、コンサルティングで管理職の方の話をよくよく聞くと、事実は全く違うことが多いのです。「うちの社長は、次から次に新しいことをやろうとして、社内をかき回しているだけなんです」「これも大事。あれも大事。これも急ぎ。あれも急ぎ。次から次に要求され、社内が混乱し、疲弊しているんです」そう私に訴えかけてくる管理職の方が多いのです。でも当の本人は全く気づいていないのです。それどころか「先生、もっと彼らを厳しく指導してやって下さい」と逆にお願いされる始末です。本当に困ったものですよね。自社の従業員が今どういう状況になっているのか把握できない社長が、ましてお客様である荷主さんを満足させることが果たしてできるのだろうか?厄介なことに、このタイプの社長さんは自信家なだけに私が進言しても、なかなか理解しようとしません。私は一緒に働く従業員を幸せにすることが社長業の最大の喜びなだ、とクソマジメに思っています。例え数人しか従業員がいなくても、一緒に働いた従業員に「この会社で働いてよかった!」「この会社で一生働いてきて、自分の人生は正解だった」そう思われたら社長としては「トリプルA」だと思います。従業員さんは、社長さんにもっと現場のことや自分たちのことを理解してほしいと思っています。「物言えぬ従業員の声」が社長さんには聞こえていますか?この"かすかな声"を聞き取る力。これも大切な「社長力」の1つです。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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