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第10回 運送会社の安全品質レベルを図る経営指標の1つとは?

中小運送会社の社長力

「ドライバーがよく辞めて困っている」 この相談も多いです。 いわゆる「定着率」の問題です。 安定成長している中小運送会社は、例外なく、ドライバーの定着率が高いです。 なぜなら、輸送品質レベルが一定水準以上を保てるからです。 荷主企業に出入する時、その荷主独自のルールがあります。 それを熟知していれば、荷主からの高い信用を勝ち得ます。 その結果、業務拡大に結びつきます。 当然といえば当然のことですよね。 一方、ドライバーの定着率が低い運送会社の場合は危険信号です。荷主からは「お宅のドライバーは何度言ってもミスをする。どういう教育をしているんだ!」というクレームが増えてきます。 その結果、業務量が次第に減少し、最終的には他の輸送品質の高い運送会社に仕事を奪われてしまうという結果になるのです。 実に簡単に、運送会社の盛衰が説明できるわけなのです。 社長さんの中には、 「自分は間違っていない」とか 「ドライバーが悪いんだ」 と思っている方もいらっしゃるでしょう。 でも、それでは何も解決しません。 やはり、冷静になってもう一度、ご自身や自分の会社のことを見つめなおして欲しいのです。 おそらく、原因の大半は会社や社長さんの中にあるはずです。 運輸安全マネジメントでは「輸送の安全目標」を設定する必要があります。 よくある「輸送の安全目標」は、 イ.人身事故ゼロ ロ.物損事故年間5件以下 という直接的な内容が多いでしょう。 しかし、もう少し深堀りして考えてみると、輸送の安全の向上に何が大切なのかに気づくはずです。 その1つが「ドライバーの定着率の向上」なのです。 ひょっとすると、自社の「ドライバーの定着率」を把握していない社長さんもいらっしゃるかもしれません。 その場合には、まず過去1年間の「定着率」を洗い出すことから始めてください。 輸送の安全確保とは交通事故防止のことです。 しかし、定着率アップはそれ以上のサービス品質の維持向上にも影響を与える大変大事な「目標」であり「経営指標」なのです。 どの数値を把握し、向上すれば自社が成長していくのか。 自社の「目標」や「経営指標」を"適切に"設定できるかどうか。 社長力が試される場面ですね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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