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第12回 小さな"事故の芽"に気付く仕組みはありますか?

中小運送会社の社長力

先日、名古屋でトレーラー横転死亡事故が発生しました。母娘2人が死亡するという痛ましい事故で、全国放送もされました。事故翌日には、運輸局の特別監査が入りました。日頃の安全管理の状態や法令遵守の状況を厳しくチェックされたことでしょう。さらにドライバーにも聞き込みをされたそうです。おそらく日頃からどんな指導を会社から受けていたかを確認するためです。結果は、数ヶ月先には判明するでしょうが、かなり厳しい行政処分が予想されます。 事故原因の詳細は分りませんが、おそらくトレーラーとコンテナの固定が甘かったのではないか、と指摘する声もあります。通常前後4箇所を固定すべきところを、後方2箇所を固定しただけで運送してしまうケースもあると聞きます。もし、トレーラーとコンテナの固定が甘かったことが原因とすれば非常に残念なことになります。 実際の状況はわからないですが、ひょっとしたら横転事故を防ぐことができたかもしれません。コンテナをトレーラーに積み込む現場の状況は分らないのですが、何かチェックする仕組みを構築する必要がありそうです。それにしても、運送会社の経営は本当に大変ですよね。たった1人のドライバーのミスで、大惨事に発展してしまうわけですから。でも、一般市民は、特に遺族の方はそんな同情はしてくれません。きっと厳しい処分を警察や行政に求めるでしょう。 やはり、運送会社はプロとして厳しく、自社内部に「絶えず輸送の安全を脅かす要因はないか」を考え続けなければなりません。例えば、日常点検を実施しているはずなのに、出発後間もなくパンクをしたり、バッテリーがあがったりした場合。また、日常点検を実施しているはずなのに、3ヶ月点検の時に不具合が見つかる場合。これらの現象は、形だけ「日常点検表」にチェックはしているが、実際にはしっかりと実施していないことが原因です。今回の事故から学ぶべき点はたくさんあります。運送会社として小さな"事故の芽"に気づく"仕組み"があるか。そして"事故の芽"をコツコツと丹念に摘んでいく"仕組み"があるかどうか。実は「ヒヤリハット活動」が有効な"仕組み"の1つであることをお忘れなく! 「ヒヤリハット活動」を継続的に実施できるように社内環境を整えること。これも"社長力"の1つなのです。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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