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第17回 黙認しただけで、営業停止になる時代!

中小運送会社の社長力

先日、大型貨物自動車に装着されたスピードリミッターを不正に改造し速度超過運転を行い、その事実を運送会社が"容認"していたとして、中部地区の運送会社が営業停止になりました。 しかも7日間の営業停止です。 この処分は2006年8月の行政処分基準の改正基準に基づいて行われたものです。 すなわち「過労運転や飲酒運転など悪質違反が発覚した場合で、運送会社がその違反を命令又は"容認"していた場合には、重大事故の有無に関係なく、7日間の営業停止にする」という基準です。 今回の焦点は運送会社が違反事実を"容認"していたかどうかです。では、"容認"とはどんな場合を指すのでしょうか? 大型トラックはタコグラフの装着が義務化されています。 ですから、タコグラフでスピード違反がないかをチェックすれば、スピードリミッターが不正改造しているかどうかは容易に分かるはずです。 ということで、容認と認定される場合とは ?タコグラフでスピード違反がないかをチェックしていない場合。 ?タコグラフでスピード違反を把握しているにもかかわらず、ドライバーに対して改善指導をしていない場合。 おおよそこの2つになると思われます。 今回の営業停止という極めて重い処分が出されてことで、運送会社のずさんな安全管理体制に対する国土交通省の厳しい姿勢が伝わってきます。 つまり、悪質違反の事実を把握しようとすれば把握できるのに、それをしようとしない。 また、把握しているにもかかわらず改善しようとしない。 このような経営姿勢の運送会社を市場から強制的に排除するという明確なメッセージが伝わってきます。 「ドライバーがそんな違反をしているとは知らなかった」 では許されるはずがありません。 これでは指導監督力のなさを自ら証明しているようなものです。 荷主の無理な着時間指定や不当に安い運賃など、運送会社を悪質違反に導く要因があるのはよく分かります。 だからこそ「そこまで徹底しているんですね。さすがですね!」 そう言われるような達人の仕事を目指すべきなのです。 社長さんがもし創業者の方であれば絶対にそうでしょう。 同業他社や荷主から「お宅はスゴイね。これからもヨロシクね」 そう言われる会社を目指して会社を興したはずです。 ぜひ、創業時の志をもう一度思い出して下さい。 創業時の志を忘れない。 今失われつつある社長力の1つではないでしょうか。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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