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第21回 車両数900台規模のタクシー会社が"許可取り消し"になる時代!

中小運送会社の社長力

東京の大手タクシー会社が許可取消しになりそうです。 8月中には処分が確定する予定です。 主な原因は「超過労働」です。 これまでにも同様の違反を繰り返しており、すでに累積違反点数が40数点に達しているとのことです。 何より驚くのは、タクシー台数が900台規模の会社に対して、国土交通省が「事業許可取消し」処分をしようとする厳しい姿勢です。規模の大小や貨物と旅客に関係なく、事故を誘引する違反を繰り返す輸送事業者に対しては厳しい処分も辞さない、という姿勢がよく分かります。 このタクシー会社にも言い分はあるのでしょう。 例えば、 ?労働時間を杓子定規に守っていたら、ドライバーの給料を払えなくなってしまう。 ?ドライバーも稼ぎたいので、ある程度の長時間労働は仕方ないと思っている。 ?今、違法性を指摘された事項について改善中である。 等です。 おそらく今回国土交通省が問題視するのは、"超過労働"という同じ違反を繰り返し、改善しようとしないタクシー会社の安全管理に対する姿勢だと思います。 何度も同じ違反を繰り返し、「今改善している途中です」と弁明をしたところで、もう信用してもらえないでしょう。 これはトラック運送会社についても同様です。 荷主が無理なことを言ってくるから仕方ない。 運賃が安いから運行回数を増やさざるを得ないから長時間労働は仕方ない。 国が荷主に対して運賃規制をしないからダメなんだ。 いろいろ言いたいことはあるに違いありません。 そして「どうにもならない」と開き直ってしまえば、今回のような大手タクシー会社の二の舞になるでしょう。 やはり法律違反として指摘されたときには、厳粛に受け止め、できる限りの改善をすべきです。 今回の事例を改めて考えると、シンプルですが、そのような結論に至ります。 大手であろうが、中小であろうが、この点においては公平です。 今回の大手タクシー会社に限らず、中小運送会社の社長さんも、「まさかこの程度の法律違反で許可取消しにはならないだろう」という"だろう経営"をしていませんか? だろう運転と同じく"だろう経営"は重大事故(営業停止、許可取消し)につながる危険な経営です。 「自社の法令違反の現状について正しく把握していますか?」 「法令違反をなくすための改善を継続的に実施していますか?」 これが今回の私から社長さんへの質問状です。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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