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第22回 過去5年間で、営業停止になる運送会社が約5倍に急増!「運送屋」から「安全管理ができる会社」への変化が求められる時代

中小運送会社の社長力

6月に関東運輸局が平成20年度のトラック運送会社に対する行政処分の状況を発表しました。 過去5年間の処分概要では、平成16年度では582件だった監査件数が平成20年度では948件となっています。 わずか5年間で約1.6倍に増加しています。 今年度も監査要員が補充されましたので、おそらく1000件超えは時間の問題です。 次に「許可取消し」と「事業停止」の件数についてです。 平成16年度ではわずか5件であったのが、平成20年度では145件と急増しています。 ただこれには原因があります。 145件の内118件が"所在不明"による許可取消し件数なのです。 ですから145件中24件が事業停止、3件が監査による許可取消し、118件が所在不明による許可取消し、このようなことになります。 注目すべき"事業停止"の件数です。 平成16年度に5件だったのに対し、平成20年度は24件と5年間で4.8倍に急増しています。 この5年間でいかに時代が変わったのかが分かりますよね。 しかしながら、この急激な時代の変化に気づいていない社長さんが多いのも事実なのです。 気づいていないので、今、何に力を入れて取り組まなければならないかも分からない。 その結果、今までと同じやり方をだらだらと続けているのです。 5年前は、とにかく目的地まで運べばOKの"運送屋"でもあまり問題はありませんでした。 しかし、これからは普段から安全管理を実施している"マネジメント会社"でないと生き残れないのです。 前回の連載記事で取り上げた東京の大手タクシー会社(車両数約900台)の事例がまさに象徴的な出来事なのです。 この大手タクシー会社は"超過労働"を国交省に指摘されていたにもかかわらず、迅速に改善しなかったために"許可の取消し"になりそうな状況に陥っているのです。 今回の関東運輸局が発表したデータは、まさにそのことを現実に証明しているのものといえます。 非常に大切な経営判断を迫るデータ結果です。 このデータをどのように読み解くか? 社長がどの方向に舵取りをするのか? 今回の私から社長さんへの質問です。
【参考】
1.過去5年間の処分概要
 年度
項目
16年度
17年度
18年度
19年度
20年度
件数件数前年比件数前年比件数前年比件数前年比監査等実施件数582717123.2%750104.6%929123.9%948102.0%処分内容許可の取消・事業停止5(0)24(8)480.0%26(6)108.3%24(1)92.3%145(121)604.2%車両使用停止44943196.0%452104.9%36480.5%33692.3%文書警告82241293.9%3916.2%3897.4%2668.4%処分計536696129.9%51774.3%42682.4%507119.0%内過積載通報処分13810475.4%6966.3%3144.9%2890.3%※()は許可の取消件数で内数。「20年度の内訳→監査によるもの3件、所在不明によるもの118件」
※過積載通報処分は、公安委員会からの通報に基づき処分したものをいう。
(関東運輸局HP参照)

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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