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第23回 電卓で分かる、自分の能力の限界 〓知らず知らずの間に陥るマンネリの罠〓 

中小運送会社の社長力

ある2代目経営者と会ったときの話です。 その方は決算書の見方についての研修会に参加されたようです。 その研修会で非常にショックを受けたそうです。 決算書の見方の研修ですから、数字を扱うということで電卓を持参することになっていました。 研修の中で、いよいよ電卓が必要な場面が登場しました。 電卓を取り出して、計算をしようとした時。 「あっ!ない。」 そうです。 自分の電卓が9桁、つまり1億の単位までしか計算できないものだったのです。 その研修会では百億単位の数字を使った計算が必要だったわけです。仕方なく単位を千円にして電卓で計算したそうです。 で、この時彼が一番ショックを受けたのは桁の足りない電卓しか持っていない自分だったのです。 すなわち、1億以上の世界と接触する機会がなく、それに何の疑問も感じず桁の少ない電卓を使い続けていた自分。 井の中の蛙大海を知らず。 そんな自分のスケールの小ささが、桁の足りない電卓とダブって写り、とてもショックを受けたようなのです。 でも、これは笑えない話ですよね。 ほうっておくと、人間は「マンネリの罠」にはまってしまいます。無意識のうちに、自分や自分の会社に限界を描いてしまいます。 いつもと同じ仕事のやり方を全く疑問も持たない。 もっと優れた方法があるのでは?と気づくことができない。 そのため無駄なやり方を何年も続けて会社に多大な損害が発生していることに気づかない。 こんな状況の中小運送会社には多いように感じます。 例えば、タイヤの交換。 どのようなサイクルで交換していますか? ドライバーや整備会社に任せっきりではありませんか? 会社内での明確な基準はあるでしょうか? 何ミリになったら交換にするのか? タイヤのローテーションはどのくらいで実施するのがタイヤの寿命を長くなるのか? タイヤの空気圧はどの頻度でチェックするのがよいのか? 今までドライバー任せになっていることを、会社全体の統一したルールにすることで、無駄な経費の削減も可能になります。 そのためには、冒頭にお話しました「マンネリの罠」に社長自身がはまらないことが第一条件になります。 「今まで何の疑問も感じずにやっている仕事のやり方は、本当にもう工夫の余地はありませんか?」 これが今回、私から社長さんへの質問状です。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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