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第24回 運送会社を"じわっと"苦しめる、「累積違反点数」とは?

中小運送会社の社長力

今年5月に名古屋で発生したトレーラ横転死亡事故について、国土交通省が事故を起こした運送会社を行政処分しました。 処分の内容は、車両停止処分260日(130日×2台)です。 母と娘(2人の小さい子供がいる)の2人を死亡させた事故でしたが、この処分内容に皆さんはどう思われたでしょうか? ご遺族の方の立場から見れば、絶対に軽すぎるに決まっています。それに比べると、車両停止260日はどうしても軽く見えてしまいます。 しかし実際にはこの運送会社はかなり重いペナルティーを背負うことになります。 260日の車両停止。 この内容だけを見ると、そんなに重くは感じません。 しかし260日の車両停止=違反点数26点。 このように考えると状況は一転します。 なぜなら、この違反点数の累積によって今後「営業停止」になることもあるからです。 違反点数によって「営業停止」になるケースは大雑把にいうと2通りあります。 1つ目は1回の行政処分で「270日以上の車両停止処分=違反点数27点以上」の場合。 2つ目は3年間の累積違反点数が50点超になった場合。 今回、1つ目に該当しませんでした。 残るは今後3年間で再度事故や違反により違反点数を受け、累積違反点数が50点超になるケースです。 50点超にはなかなか届かないように見えますが、ここが落とし穴です。 特に再違反をした場合、1回目の処分の3倍の処分になり、違反点数も3倍になります。 例えば点呼未実施で1回目に車両停止30日(違反点数3点)の場合で再違反すると、車両停止90日(違反点数9点)になります。仮に車両停止30日の再違反を3件すると、違反点数27点、累積違反点数"53点"となります。 これで「営業停止」になってしまうのです。 ですから今回の累積違反点数26点は非常に重い内容なのです。 ところで先日、私の顧問先でヒヤリハット会議を開催しました。 その時、今回のような横転事故につながったであろうヒヤリハット事例を発見することができました。 参加者も「他人事ではなかった。自社で起こしていてもおかしくない」 このように危機意識を共有することができました。 私は「ヒヤリハット活動」は、ドライバーと会社を守る"魔法の杖"だと実感しています。 「ヒヤリハット活動を日頃からしっかり実施できていますか?」 これが今回私から社長さんへの質問です。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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