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第25回 死亡事故よりも「悪質違反」のほうが行政処分が重くなる!!?

中小運送会社の社長力

5台未満の運送会社に対して6月に実施された重点監査結果が発表されました。
ご存知のとおり5台未満は原則、法令違反となります。
今回の重点監査の目的は、5台未満自体の是正以外の目的がありました。
それは5台未満の運送会社ほど点呼や労働時間などの法令違反が多いかどうかの確認です。
そこで結果はどうだったか?
なんと1018社のうち、741社。
実に72.8%が法令違反という結果でした。
内訳は、労働時間等の違反が約30%、点故違反が約43%、乗務記録違反が約28%、安全指導監督違反が約39%、社会保険等未加入が約29%という内容でした。
これで「5台未満」の運送会社は運行管理等の安全管理がほとんどできていない事実が判明しました。
全国で5台未満の運送会社は約4000社あるといわれています。今後、国交省は残りの約3000社に対しても同様の監査を実施し、違反が判明すれば行政処分を行う予定です。
5台未満の運送会社は早急に法令遵守の対策を取る必要があります。一方、今回の重点監査は5台以上の運送会社にとって対岸の火事なのでしょうか?
それは違います。
おそらく今年度後半に残り3000社の重点監査が終了すれば、次はいよいよ5台以上の運送会社に対する監査にシフトしていきます。鋭い社長さんは、もうその対策を着々と進めています。
「安全管理」は外部から実施しているかどうか分かりにくいです。極論すると重大事故が発生した時にやっていたかどうかが分かる(ばれる)のです。
私はいろんな運送会社の行政処分の内容を分析していますが、死亡事故を起こした運送会社よりも悪質違反をした運送会社のほうが行政処分が重い場合が多々あります。
その際おそらく明暗を分けたのは日頃の「安全管理」の実施状況です。
安全管理はすぐに売上が倍増する、というような華々しい取り組みではありません。
どちらかというと、地味で、桜で例えれば、花ではなく根っこや土の部分に該当します。
でも、これなくして桜の花を見ることはできないのです。
『社長にとって、今"緊急でもなく、重要でもない"と思っていることで、本当は取り組む必要のあること。それは一体何でしょうか?』
これが社長に対する今回の私からの質問です。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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