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第29回 労働基準監督署の監査を受けたら要注意!

中小運送会社の社長力

「運輸局の抜き打ち監査が入った!」慌てた口ぶりで、ある社長さんから電話がかかってきました。話をよく聞いてみると、1,2ヶ月前に労働基準監督署の監査を受けた、ということでした。その際「拘束時間違反が多い」と指摘されたそうです。にもかかわらず、その社長さんはそのままの状態で放置していたのです。このようなケースが最近は多くなりつつあります。なぜでしょうか?これは、運輸局と労働局の相互通報制度が本格的に稼動し始めたからなのです。実は昨年の4月から運輸局と労働局との合同監査・監督を実施できるように法令改正されていました。ただこの1年間は周知期間の意味合いもあり、あまり厳しく実施されてはいない状況でした。
ところが今年4月で1年経過したことで、いよいよ本格的に実施されるようになったのです。残念ながら1年間も準備期間があったにもかかわらず、ほとんど改善されていない運送会社が多いのが実情なのです。今回の相談も、まさにこの法令改正による監査だったのです。今回重要だったのは、まず、労働基準監督署の監査を受けた直後の対処法だったのです。指摘された項目をその週から直ちに改善し、できるだけ早く労働基準監督署の担当者に報告すべきです。その際当然、客観的に改善されたことが証明できる資料を持参するのは言うまでもありません。例えば、拘束時間や連続運転時間違反の改善であれば、タコグラフと運転日報を持参するといった具合です。その他今後どのような仕組みで法令違反にならないようにしていくかを説明することも大切です。
とにかく、ここは"速さ"がすべてです。
遅ければ運輸局に通報されてしまうからです。
もっともそれでも運輸局に通報されることもあります。
ただ私の経験上では通報されないケースもありました。
それにしても最近は労働基準監督署の監査が入って是正計画を提出後、数ヵ月して再度監査に入るケースが多くなっています。
この再度の監査で改善状況が思わしくない場合、運輸局に通報され、運輸局の抜き打ち監査を受けることになってしまうわけです。
今は、監査後の改善状況を厳しくチェックするのが主流です。
ぜひ、油断せずに着実に法令遵守に向けた改善に取り組んでいきましょう。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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