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第30回 以前と比べて細かくなった運輸監査

中小運送会社の社長力

ここ数ヶ月の運送会社に対する行政処分の内容について分析して分かったことがあります。
それは今までほとんど指摘されなかったことを法令違反として処分されるようになったということです。
具体的には次の2つです。
a.業務の的確な処理及び運行管理規程の遵守について運行管理者に対する指導及び監督が不適切であったこと。
b.国土交通省告示で定める特定の運転者に対して事業用自動車の運行の安全を確保するために遵守すべき事項について、特別な指導が不適切であったこと。
まずaについてですが、今まで重視されてきたのは運行管理者や事業者がドライバーに対して教育指導を行っているかについてだけでした。
ところが最近では事業者が運行管理者に対して指導監督をしているかについてまで監査をされるようになったのです。
ですから今後の対策としては事業者が運行管理者に対して指導監督を行い、その内容を記録・保存することが大事になるのです。
指導監督の内容は運行管理業務の処理や運行管理規程の内容を遵守することの重要性についてになります。
次にbの特定運転者に対する特別な指導です。
確認のために「特定運転者」とは
イ.重大事故を起こしたドライバー。
ロ.新規に雇用したドライバー。
ハ.65歳以上のドライバー。
の3種類です。
大前提としてこれらのドライバーに対しては「適性診断」を受診させる必要がありますよね。
重大事故を起こしたドライバーには「特別診断」。
新規雇用のドライバーには「初任診断」。
65歳以上のドライバーには「適齢診断」。
しかし、受診後に更にやらなければならないことがあるのです。
実は、適性診断受診後に"6時間以上"の個別指導を事業者が実施する義務があるのです。
この個別指導を実施していないということで行政処分を受けることになるのです。
このように最近では行政処分を実施する際に厳格に、要するに細かいところまで指摘する傾向が強くなってきました。
数年前と同じ考え方で法令遵守を甘く見ている社長さんは特に注意が必要です。
営業停止などの重い行政処分はコトが起こってからでは間に合いません。
もっとも、この連載を読み続けている真面目な社長さんに対して「釈迦に説法」かもしれませんね。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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