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第31回 下請運送会社に対する"元請"運送会社の責任が強化

中小運送会社の社長力

10月16日付けで運輸安全マネジメントの"運用方針"が変更されました。
運輸安全マネジメントは、今までどちらかというと大手運送会社だけの話で、中小運送会社にとっては関係ない話と思われがちでした。ところが、今回の変更で事態は一変しそうです。
理由は簡単です。
元請運送会社が「下請運送会社に安全管理体制の構築・改善を要請・指導すること」を国土交通省から要求されるようになるからです。
要するに、元請運送会社が国土交通省の運輸安全マネジメント評価を受ける際に、下請運送会社に対して運輸安全マネジメントの導入を要請したり、指導したりしているかまでチェックされる、ということなのです。
このことは何を意味するかと言うと、非常に近い将来、元請運送会社から運輸安全マネジメントの導入をしているかのチェックを下請運送会社はされる、ということなのです。
簡単にいえば、運輸安全マネジメントを導入していない運送会社は元請運送会社の選別基準によって排除されるようになる、ということなのです。
ですから、いまだ運輸安全マネジメントを導入していない運送会社は今すぐに導入に着手すべきでしょう。
元請運送会社から指摘される前に導入しているほうが、指摘されて慌てるのより自社の評価が圧倒的に高くなるのは当然ですよね。
さらに、これとは別で大事な改正があります。
それは、第一当事者の死亡事故を引き起こした場合には、たとえ中小運送会社であっても、運輸安全マネジメントのチェックをされるということです。
今までは、死亡事故を起こし運輸監査を受けても、主に点呼や労働時間など法令遵守に関するチェックを受けるだけでした。
ところが、今回の改正で運輸安全マネジメントの実施状況も一緒にチェックされるようになるのです。
特に
〓安全方針の設定と従業員への周知
〓安全目標の設定
〓従業員に対する教育及び研修
〓事故、災害等に関する報告、ヒアリ・ハット体験、事故防止に関する効果的な事例その他の指導監督に資する情報の適切な伝達
については義務化されています。
とういことは未実施の場合、行政処分となるので注意が必要です。
このように運輸安全マネジメントは「荷主からの要請」と「運輸監査のチェック」という2つの点から、運送業経営における"必須科目"になりました。まだ導入していない場合には今すぐ手を打ちましょう。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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