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第32回 運送会社の見えない差別化とは?

中小運送会社の社長力

10月ということで、上半期の振り返りをするため運輸安全マネジメントの「内部監査」を実施する顧問先が最近多いです。この「内部監査」は大きく分けて「適合性」と「有効性」の2種類あります。
「適合性」の内部監査では、トラック協会や国土交通省が行うように法令遵守の状況をチェックします。一方、「有効性」の内部監査では、運輸安全マネジメントの仕組みが機能しているかをチェックします。ですから、一般的には「適合性」の内部監査はその内容は馴染みがありイメージしやすいので、比較的スムーズに実施することができます。一方の「有効性」の内部監査は今まで経験がないので若干分かりにくいように見えます。ただ、実際に私がフォローしながら実施して事業者の方に質問してみると「ぼんやりとしていた内容が、ようやく分かってきました」という感想が多く出てきます。
こういった感想を聞くと、ますますこの「内部監査」がとても重要なことだと改めて感じます。中小運送会社をいろいろコンサルティングしていますが、何が一番苦手か?それは、自社の置かれている経営状況を冷静にチェックすることなのです。事業年度の初めに、売上や事故件数などの目標を立てることはほとんどの中小運送会社でもしています。また、事業計画までは何とか立てている会社もあります。しかし、そのせっかく立てた事業計画の進捗状況を定期的にチェックし、問題点を修正している中小運送会社となるとほとんどありません。ですから、逆に言うとこの定期的なチェック=内部監査がしっかりできれば同業他社との差別化ができるということなのです。そのトレーニングとして、運輸安全マネジメントの内部監査をしっかりと実行してみてはいかがでしょうか?安全計画をしっかりと定期的にチェックし、問題点を洗い出し、改善できる社内風土ができれば、そのほかの事業計画も確実に実行できるようになります。特に売上につながる「営業計画」についても効果を現れてくるでしょう。実際に営業計画を立て、定期的にチェックし、問題点を洗い出し、改善している中小運送会社は一体どれだけあるでしょうか?それを考えると、この運送業界はまだまだチャンスがあると思いませんか?

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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