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第34回 運輸安全マネジメントは"義務"ですか?それとも"経営戦略ツール"ですか?

中小運送会社の社長力

10月27日からNASVA(自動車事故対策機構)が運輸安全マネジメントの評価を開始しました。この評価は国土交通省より認定を受けて行う形になりますので、「国土交通省が行う評価と同等に扱われる」ことになります。通常、運輸安全マネジメントの評価は国土交通省が直接行うのが原則です。中小運送会社として今後問題になるケースは、第一当事者となる死亡事故を起こした場合です。
以前の連載記事で取り上げましたように、この10月からは第一当事者となる死亡事故を起こした運送会社に対して優先して「運輸安全マネジメント」の導入状況を評価する方針となりました。ですから、一度死亡事故を起こすと中小運送会社といえども通常の法令遵守に関する監査に"上乗せ"して、運輸安全マネジメントの導入状況までチェックされるようになるわけです。この場合特に注意が必要なのが、運輸安全マネジメントの取り組み項目の中には「義務」となっているものがあるということです。「義務」=できていない場合には「行政処分」という罰を受けるということです。これは死亡事故を一度起こすと「泣き面に蜂」状態になることを意味します。
その予防策として、せめて運輸安全マネジメントだけは早めに導入して「NASVAの評価」を受けておくことが得策であることはいうまでもありません。ただし、評価してもらうためには、事前の書面審査と本社及び営業所1箇所を訪問して行う実地審査で18万円+交通費等が必要となるようです。ただ、ISOの審査費用と比べたらタダのようなものです。更に言えば、この運輸安全マネジメントのISO化が現在検討されています。このように考えるともはやISO9000の存在がかすんで見えてしまうのは私だけではないはずです。もっとも運輸安全マネジメントがISO化された場合でもISO認証する意味が中小運送会社にあるのとは私個人は全く思いませんが。どちらにしても、この運輸安全マネジメントは今後継続して運送業を経営していこうとする社長さんにとっては必要なものではるのは確かなことです。国からのお仕着せではなく、経営改善のためのツールの1つとして上手に活用していきましょう!

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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