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第36回 朝9時から夜8時にまで及んだ"運輸監査"!

中小運送会社の社長力

関東地区の運送会社さんのコンサルティングをするようになって改めて気づいたことがあります。
それは国土交通省の監査が非常に厳しいと言うことです。
運輸監査には、呼出監査→巡回監査→特別監査の順で厳しくなっていきます。
通常、呼出監査の場合、運送会社が運輸支局に出頭してタコグラフや点呼記録、運転日報などを提示する形で行われます。
そして呼出監査ではあまり厳しい行政処分にならないことが一般的な傾向です。
ところが関東地区では、この一般的に軽めといわれている「呼出監査」によって"営業停止"にまで発展するケースがあるのです。
朝の9時から夕方5時近くまで、丸一日運輸支局に拘束されて監査を受ける、ということが珍しくないようなのです。
丸一日掛けてタコグラフと点呼記録、運転日報、日常点検表などとの関連性とかドライバーに対する教育指導記録、社会保険の加入状況などたくさんの項目についてチェックされます。
必要があれば「証拠」としてコピーされたりもします。
まるで警察の「捜査」のようです。
このように考えると今後の運送会社の対策として「呼出監査」を受けることになってもしっかりと安全管理を実施している状況を説明できるように、日頃から取り組む必要があります。
ちなみに「呼出監査」を受ける運送会社の例としては次の場合で呼出監査を行うことが適当と認められた場合が該当します。
〓公安委員会等からの通報等が運輸局にあった場合
〓荷物の滅失、き損又は遅延、交通事故の処理等について、利用者等からの苦情があった場合
〓地方実施機関の巡回指導の結果、悪質な法令違反の改善の指導を受け、評価が悪いとされたにもかかわらずその後の改善が確認できない場合
〓社会保険等に加入していない旨の情報があり呼出監査を行うことが適当と認められる場合
などがあります。
社会保険未加入や利用者等(荷主や一般人)からの苦情から「呼出監査」に発展することに注目して下さい。
事故とは直接関係のないことからでも「呼出監査」を受けるキッカケになるのです。
会社であれ、人生であれ、ほんの小さな"亀裂"から大きく崩れていきます。
運送会社の社長の条件として、いい意味での「健全な臆病さ」が必要な時代となりました。
「社長!小さな問題点だと思って放置したままになっていることはありませんか?」
これが今回の社長さんに対する私の質問です。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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