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第39回 "ひき逃げ"を予防する安全教育とは?

中小運送会社の社長力

前回お話した関東地区の観光バスひき逃げ事故の続きです。
実際ひき逃げという犯罪を防止するために
運送会社としてどのような対策をとればいいのでしょうか?
一般的に考えられるのは
1.ひき逃げによる刑事罰の怖さを理解させる。
2.上記1とは逆にすぐ救護活動をすることの大切さを理解させる。
3.ひき逃げをした場合と救護活動をした場合の刑事罰の大きさの違いを理解させる。
4.ひき逃げによって運送会社が営業停止になる可能性が高いこと。
 その結果同僚にも多大な迷惑をかけることを理解させる。
5.ひき逃げをした犯罪者が語るビデオを見せる。(免許更新の際に放映されるもの)
6.事故を起こした時に何をしなければならないかを教育し、実際に模擬訓練をする。
その他にもいろいろ対策があると思いますが、今回は上記6の補足説明をします。
上記6について、特に見落としがちになるのが「非常表示板」や「発煙筒」の備え付けと適切な使用方法についてです。
ドライバーが事故を起こした時、特に高速道路や夜間の場合、非常表示板や発煙筒を使用して二次災害防止に努める必要があります。
そのためには非常表示板や発煙筒がトラックに常備され、更に正しく使用できなければなりません。
実際のところ非常表示板がトラックに常備されているのか確認したことがないドライバーも多いはずです。
発煙筒も実際に使用した経験のあるドライバーは本当に少ないでしょう。
事故時は誰でも動転して通常の精神状態ではありません。
そのため簡単なことでも経験がないと咄嗟にできないものです。
ですから運送会社としては、非常表示板や発煙筒の使用方法を実地教育する必要があるのです。
そもそもトラックに備え付けてあるかを早急に確認しましょう。
たったこれだけでもしっかり教育できれば、事故時に適切な処置ができ、
結果的にドライバーの行政罰や刑事罰が軽減されることがあります。
運送会社とドライバー双方の将来を守るためにも、ぜひ今すぐ着手してくださいね。
ほとんどの人間はとても弱い存在です。
「いざ人身事故を起こした時、ドライバーがどれほどパニックになるか?
このことを深く考えた教育をしていますか?」
これが今回の社長さんに対する私の質問です。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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