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第44回 安全教育のスタートは「安全管理体制図」の見直しから

中小運送会社の社長力

ドライバーに対する安全教育指導がとても重要な時代になってきたことは、
今までの連載の中でも度々お話いたしました。
安全教育指導のあるなしで、
重大事故や悪質違反を起こした時に受ける行政処分が天と地ほどの違いが生じます。
そうはいっても、なかなか
「ドライバーに対する安全教育」が実施できない運送会社が多いのも事実です。
なぜ、これほど大事な安全教育ができないのでしょうか?
主な原因は、中小運送会社の運行形態はドライバーごとに異なり、
大勢が集まって教育する時間を確保することがなかなか難しいということです。
実際、この壁にぶつかることが非常に多いのです。
この問題を解消するためには、一度に全員を集めてやろうと思わないことです。
例えば5名ずつぐらいで、数回に分けて実施する。
これが中小運送会社に一番適した方法だと思います。
そのためには、ドライバーのグループ分けが重要になります。
荷主別で分けるのか。
業務時間帯で分けるのか。
よくあるのは、荷主別にグループ分けをするケースです。
これは同じ仕事をしているドライバー同士が集まることで
業務上の課題も話し合うことができるからです。
しかし問題点もあります。
荷主が同じであっても業務時間帯が違っているケースもあるからです。
とにかく、安全教育を確実に実施していくために、
どのようなグループ分けをすればできるのか。
この1点を真剣に検討してください。
実は、このグループ分けが間違っていると、
ボタンの掛け違いのように安全教育をほとんど実施できなくなります。
ですから、じっくり時間をかけて本当に集まれるグループなのかを
実際の業務状況を改めてチェックする必要があります。
私が顧問先のコンサルティングをする場合でも、安全管理体制図を拝見します。
大体の会社では安全管理体制図はあります。
しかし、ほとんどが形骸化していて、実際には役に立っていない状況です。
ひどい場合は、すでに退職した運行管理者やドライバーの氏名が
記載されたままだったりしています。
これでは、いつまで経っても安全教育を実施することはできません。
ぜひ、再度、自社内の状況を振り返って、
定期的に集まることができるグループを作ってください。
すべてはココから始まります。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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