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第46回 急成長した運送会社の弱点

中小運送会社の社長力

急成長した中小運送会社によくある症状があります。
それは「管理職同士のコミュニケーション不足」と「ドライバーと管理者とのコミュニケーション不足」の2つです。
急成長する運送会社は、売上を増やすためにどんどんドライバーとトラックを増やしていきます。
そのため仕事はいつも忙しく、社内で会議を定期的に開いたりする時間すらない状況になります。
その結果、管理職も目の前の業務をこなすのが精一杯。
ドライバーも配送業務をこなすのが精一杯。
この状況が続くと、管理職もドライバーも自分の仕事のことしか考えなくなります。
会社の雰囲気は次第に悪くなっていきます。
私が訪問して何となく重く、よどんだ空気を感じる運送会社はそんな経緯を辿っていることが多いです。
私はこのようなケースでは、それぞれの管理職の方にまずは自分のグループのドライバーさんとの"話し合い"を定期的に実施することをお願いしています。
そして、ドライバーさんとの"話し合い"の内容を「管理職ミーティング」で各自発表してもらうようにしています。
その発表の中には、「自分のグループのドライバーに話をしたけど、あまり反応がなく、どうしたらいいのか分からなかった」という感想もあります。
実は、こういった感想をお互いに話し合える機会を作り出すことが非常に大切です。
ある運送会社の管理者ミーティングに同席した際にも、管理職の方がドライバーと安全運転について話をした時に、「デイライト走行」をしているドライバーがいることが判明しました。
そのドライバーは自分で考えて「デイライト走行」を実施していたそうです。
「デイライト走行」の是非は別としても、自分で「安全運転とは何か?」を考えて実行しているドライバーが同じ運送会社の中にいる!ということがポイントです。
そして、その内容が管理者ミーティングで"会社全体"に伝わることが大切なのです。
風通しの悪い会社は、社内の悪しき部分は隠蔽される傾向にあります。
しかし、それよりももっと大きな問題があります。
それは、黙々と"価値ある取り組み"をしているドライバーや管理職に社長自身が気づくことができないことです。
優秀な管理職やドライバーがいかに社長に対して失望していることか!
「自分の会社が実は風通しの悪い会社かもしれない?」
そう自分自身に厳しく問いかけたことはありますか?
これが今回の社長さんへの私の質問です。

記事を書いた人

和田康宏

和田康宏トラック運送業専門コンサルタント

1971年愛知県生まれ。19歳で行政書士試験に合格。
会計事務所勤務後、22歳で行政書士事務所開業。
トラック運送業専門コンサルタントとして20年以上にわたり活躍。
事故時の緊急監査対策、平時の危機管理対策、荷主に指名されるドライバーを育成する仕組み作りなど、運送会社300社超のコンサルティング実績を持つ。
営業停止案件や運輸監査案件に携わった豊富な経験から、どの段階で何を優先し、どのレベルまで改善すべきかを的確に指導できることに定評がある。
「優先順位なき安全管理は徒労に終わる」が持論。
“顧客100%が運送会社”の正真正銘の運送業専門コンサルタントである。
2014年『運送業をしてきてよかった!』をミッションとして、一般社団法人トラック・マネジメント協会を設立、理事長に就任し、活動中。
2代目、3代目のための経営塾、『トラマネ運送塾』も主宰している。

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